第2.1話

その疑問は考えを深めても頭が痛くなるだけだった。


 どうして、あんなに悪口を言ってたのに、引っ付くの? べったりなの? 嫌いなら一緒にいなくてもいいじゃない。



ある日、千鶴がこう言った。

「ごめん、陽花里。これから聖奈と一緒に行くね」

両手を重ねて申し訳無さそうに謝ってきた。


なんで、ごめん……? 一緒に行く………?


「ちづー! 早く行こー! 」

 すると、聖奈が大声で千鶴を読んだ。わざと急かさせているようだ。

「あ、うん! まぁ、そういうことだから」


そういうこと……? 何が……?



 その日は結局、誰とも一緒に行動しなかった。

明日からまた千鶴と行けるかなと思ったけど、また誰とも行動を共にしなかった。

その次の日も、次の日も、次の日も、私の隣がいなかった。

要するに、クラスのになってしまったのだ。


自分がぼっちだと自覚する度、寂しさと苦しさ、絶望感が一つの大きな塊になって、ズシンとのしかかるようだった。

そして、日が重なる度に大きくなっていく休み時間の二人の会話。初めは至って普通の会話だった。今では、誰かの悪口大会を毎日開催中である。

「あはははは! それ分かる! 」

「でしょ!? マジでムカつくよね〜 」

 こんなことを毎日大声で平気に言うのだ。

 そんなことをして何のメリットがあるんだ。相手を不快にさせるだけじゃないか。

正直、あの二人は浮いている。周りは気にしてないように装っているが、内心ではうるさいと思っている人も少なくとも多いはず。イライラする。

 

「あんなヤツどっかに行けばいいのに! 」

「あー転校でもいなしかな〜 」

 まるで見せしめだ。おそらく、私の悪口が三分の一を、示しているだろう。


 なんであんなヤツのために悩まされなくちゃならないんだ。

陽花里は思考するたび、ストレスを溜めるばかりだ。



それから、1週間経つか経たないくらいだっただろうか。私はショックな日があった。

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