エピソード0-3

お昼過ぎーー


タクシーに乗り、姉の居る大学兼研究所のに到着した。


とりあえず、姉は放って置いて、大学の理事を任せて居る人の場所へ赴く。


理事長室に辿り着きドアをノックしする。


「はい、どうぞ」


返事が帰って来たのを確認して、ドアを開けて中へと入る。


「理事長、こんにちわ。」

 この部屋の主である一原いちはら 久瑠美くるみに、挨拶をして、部屋の応接セットのソファーに座る。


「それで、今日はなに用です?私は、一応忙しいのよ?」


そう言いつつ、自分のデスクから立ち上げり、備え付けのコーヒーメーカーで、コーヒーを準備してくれる、優しい人である。


「忙しい所、悪いわね。一応姉が迷惑掛けていないか確認したかったし。それにこれも渡さないと行けなかったし。」


そう言って、USBメモリーと、紙袋を渡す。


「あっーー、これ。私がこの前食べたいって言ってた期間限定のプリンじゃない。どうやって手に入れたのよ。もう手に入らないから断念してたのに」


「たまたま、私の知り合いの人だったから、無理言って作って貰ったのよ。頑張ってる人には、こういうご褒美も必要だからね。」


まあ、元々レシピも材料も全て私が揃えて作らせたのだけれど・・・


「うん、それじゃあ後でゆっくりいただくわ。それでこっちはなに?」


USBメモリの方を指指して私に聞いてくる。瞬時に、仕事モードに切り替わるのは流石出来る人である。


「なにかあったときに解決マニュアルみたいな物ね。私が居なくて判断に困った時はそれを使うと良いわ。まあ、あなたほど優秀な人だと無くても問題なさそうだけどね。」


「まあ、とりあえず受けっとって置くわ。でも、なんでこんなの渡すのよ?しばらく何処かに行く予定でも有るのかしら?それとも、また何かやらかすつもりじゃないでしょうね?とりあえずこっちを巻き込まないでくれれば良いんだけど・・・」


「まあ、何があっても万全を期す事は、悪い事じゃないでしょ?まあ、何かあった時の保険だと思って。」


一応その予定は無いとはいえ、現状の姉がどういう行動に出るかわからないので・・・


実際、あの姉が出来たと言うのだから、異世界同士を繋ぐくらいは出来るだろう。

規模がどうなるかは、見てみないとわからないが、実際何かが起こるのは確定しているのだが・・・


「じゃあそろそろ行かないと、姉が拗ねるので、行くわね。」


そう言って私は、ソファーから立ち、ドアを開け出ていく


「ほんと、あなた達姉妹は面倒ごとばかり・・・」

そんな久瑠美さんのつぶやきが聞こえたので、次回来た時は、本当に面倒くさい事を押し付けてあげようと思うのだった。










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姉妹《きょうだい》でいく異世界でまったり旅 @erisu_sendou

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