第10話(最終回) 悪の組織の処遇と新たな敵

 謎のロボ、グレートバンガイナーに全ロボットを瞬殺された悪の秘密結社なたあん

 平和になったバンガイナー基地である上木家にスーツ姿の大柄な男が現れた。

「おお、吉田さん」

 上木悟が出迎えた。

 この吉田という男、フルネームは吉田栄吉。実はなたあんの社長である。社長といっても会社法人の代表取締役ではなく、秘密結社の長だから社長なのだ。やしろで一番偉い人もきっと社長だ。

 上木悟は吉田社長と客間に入り、なにやら密談を始めた。孫でありバンガイナーの操縦者である丈二も蚊帳の外である。

 一時間ほどして、吉田社長は意気揚々と帰っていった。

「何の話だったんだ?」

 祖父にきく丈二。

「ああ、今後のなたあんをどうするかの相談だ」

 あからさまに含みのある笑顔だった。


 総選挙。

 日向党を結成して立候補するなたあん社長以下幹部たち。

 宣伝にはバンガイナーも使われた。

「あいつら敵じゃなかったのかよ」

 文句をつける丈二に、祖父は言う。

「ロボット使って力ずくじゃないなら、世直ししようってのは天晴れじゃないか」

「うーん。そんなもんかぁ?」

 そこへ、突如、バンガイナーそっくりのロボットが飛来した。

「グレートバンガイ党をよろしくお願いします。悪のなたあんの巨大ロボットを壊滅させた実績をご考慮いただきなにとぞ……」

 また強敵が現れた。上木老人とその孫の激闘は続く――。


 戦え! 豪傑ロボ・バンガイナー! 人類の明日のために。

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豪傑ロボ バンガイナー 鐘辺完 @belphe506

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