戦い
結論から言う。私は何もかも甘く見ていた。完全に浮かれていた。
ただただ圧倒的な戦闘を見せつけられ、何か出来たというわけでもなく、あっという間に終わってしまった。唯一それらしく出来たといえば、ひたすら手持ちのサブマシンガンを撃ち、足止めをし、消耗を強いるくらいだった。しかしそれらはどれも決定的な決め手となるはずはなかった。
力をつけるために費やした私の月日は、ただただ圧倒的な力を前にして、それがどれほど短い時間であったかを、私に認識させた。
トーナメント戦では、味方が瞬く間に敵をなぎ倒していく。私がようやく準備し終えたと思ったら、すでに勝敗は見えている状態だった。あまりにも速すぎた。
そして、あっという間に勝ち進み、頂点へと達してしまった。感動的なことも、苦労したことも、悔しかったことも、本当に何も無いまま、たどり着いてしまった。
試合には勝った。チームでの頂点を見た。けれど、それは私の力で勝ち取ったものじゃないし、見たものでもない。それがとてつもなく悔しかった。
この時から。もっと強く、もっと戦えるように。際限なく上を目指して。私は歩みを進めるようになった。いつ辿り着くかもわからない、その歩みを。
そしてこれが、私が踏み外した2歩目の選択だった。
そこからは地獄とも言うような、苦しい日々が続いた。全く新しい、1人でも敵をなぎ倒し、勝利を掴み取れるほどになるために様々な模索をした。
その間は当然、トーナメント戦は愚か、普通に巻き込まれる戦闘でも一切勝てず役にも立てない日々が続く。それでも私は、必ず報えるその瞬間を目指して、戦い方を変え、不慣れな銃をも使い、模索し続けた。
そして…私は、大事なことに気づかないまま、ただ破滅への道を冒進していた。
女は、少女は、銃を手に戦った。 高宮遠子 @T-haltman
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