——直近投稿分——

食)No.60「タイの屋台飯」

タイでは、屋台飯は庶民には欠かせない————。


タイ人は、普通、飯を家で作らない。金持ちの家か、田舎にでも行かない限り、都会バンコク近郊に住むタイ人は、三食全て外食か屋台で買った惣菜を持ち帰って食す。

 そう、タイでは屋台飯なくして、食生活は成り立たないと言っても過言ではない。


 であるから————、ありとあらゆる食い物、惣菜の屋台がある。


日本人のあたしにゃ、理解不能な“食い物”が、並んでいる。


日本のバラエティー番組でも時折やってる「ゲテモノ食」。


例えば、足がいっぱいある虫とか………羽が黒光りしたゴキちゃんみたいな昆虫?とか………(笑)

 そういうの、は別格として、とにかくそのメニューの種類は豊富だ。

朝、会社に出勤する前に、彼らは朝飯と昼飯を屋台で買い込む。

 会社に着いたら、まず、朝飯。

ご存知な方は、あぁーーーあれか、って合点がいくと思うが、タイでは

ビニール袋に何でも入れてお持ち帰りする。

ラーメンだって、飲み物だって、なんだってビニール袋でお持ち帰りする。


 ラーメンを? どうやって?———、って思うでしょ?(笑)


 麺は、麺、スープはスープで袋に入れる。具材も一緒。だもんで、タイ人のパッキング技術ってすごい。

 ビニール袋の口先を輪ゴムでくるくるやって止めるのなんて数秒でやってのける。

 コーラーみたいな飲み物は、ビニール袋に持ち手が(本体と同じ素材、ちとこの表現はむずかしい。とにかく持ち手の付いたビニール袋)ついていて、氷を入れてそこにコーラーをそのままドボドボと注ぐ。で、ストロー刺して、いっちょあがり、って感じ。


 大都会バンコクのオフィス街でも、出勤時には皆、手に何かをぶら下げて出勤してくる。

 たぶん……だけど、この光景はこの先二十年経っても変わんないと思う。


 これって、【文化】なんだと思う———。


長年やってきたこと、引き継がれてきたこと、ってなかなか変えられないし、変えたら生活できない、ってことがどこの国にもあるもんです。


 ちょっと例えが違うかもしれないけど、日本じゃ麺類はどんぶりを持ち上げてズルズルー、って吸い込むじゃないですか、あれはタイではタブーな食し方で音を出して食べちゃいけない、って小さい頃から教えられている。韓国も、茶碗やどんぶりは、食卓に置いて、箸やスプーンで食す。決して持ち上げちゃいけない。だから、韓国のスプーンって長いよね(笑


 そんなこんなで、タイの屋台飯はタイの文化なのです———だから、タイに行ったら、タイに住んだら、このシステムとは嫌おうなしに付き合っていかねばなりません。


 まっ、これもまた海外に住むことの楽しみなのかもしれませんね。


屋台から立ち上る湯気、煙、そこで楽しそうに食を求めるタイ人———これぞタイです。


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 併せて、ご愛読いただければ幸いです。


【古都水没】

“微笑みの国”——タイ王国で2011年に発生した巨大洪水と戦った日本人たちの100日の記録

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884330435     

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