第20話 書けること 書きたいこととの乖離激しく
原稿を書いていて一番シンドイのは、書きたいことが書けないことです。
理由は
1.筆力未熟
2.依頼主や企画意図との整合性→とれず
3.主テーマに関する知識・経験不足
です。
1は、言わずもがな。だから古典500冊!の修行に励まねばならぬのです。
2は、依頼主や企画主の「あなたにはこれを書いて欲しい」に応えることは、思っていた以上に難しいのでした。
もっと簡単に書けるはずだったのに、なんでだろう?と首を捻ったのは、一度や二度ではありません。いや、既に百回は超えてますね。
出版されて世に出るとなると、こんなにも内容を厳選し吟味しなければならないのかと思いますし、
原稿を提出すると、依頼元の方でも「あれ? こんなことを書いて欲しかったんだっけ?」の疑問符が見える時があります。
実際に私の文章をお届けして初めて「これを書いて欲しい」の「これ」の正体をお互いが確認するという、未確認飛行物体を互いの目視なしで追い掛けてきたような、何とも言えない瞬間が起きたりします。
あれだけ編集部と綿密な打ち合わせをして書いていてもこれなのだから、プロのライターさんて、ほんとにすごいなあと関心します。
3は、自分の専門性に胡坐をかいていたつもりはないのですが、実際にテーマに沿って書こうとするとこんなにも自分は知らないことだらけだったのか、と思い知らされる日々です。
若い人たちにどんどん現場を任せていって、最近はあまり表に出なくなっていたからこそ、こうして落ち着いて原稿を書く時間も捻り出せるわけですが、それゆえに、現場の臨場感や緊迫感、現場ゆえの悩みや戸惑いにも疎くなっていました。
経験不足を補うべく、いろいろ検索したり当事者の話を聞いたりしていますが、それでもまだまだだなあと思います。
最後に、立場上 書けることと書けないことがあり、どんなにそれを書きたくても、この雑誌においてそれは私の役目ではない、という立ち位置というものがあります。
「あたしはこれを伝えたくて書いてるんだ!」という文章が脳裏に浮かんで止まなくなっていたとしても、編集部に送る前に、パソコン画面に頭を垂れて、そこは削除です。
9月号の校了まであと数日。頑張ります。
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