第19話 油断した 内側で待つ 夏の罠

 お陰様で8月号の原稿は無事入校し、いまは発刊を待つばかりです。


 この時期は他の出版社からも来年度の講義計画に役立つようにと、「新刊・教育書のご案内」と言ったパンフレットや分厚いリーフレットなどが届きます。

 気が早いなあと思いつつも、来年度の講師陣はほぼこの時期に教授会で決定するらしく、その筋の皆様には順当な流れなのでしょう。


 そんな教育界の事情に触れるようになって早10年ですが、どの業界にもその種の「内側の人間には常識、でも外側の人は全然知らない」がありますね。


 8月号の入校に安堵し、しばしご褒美タイムにふけろうとした私は、まだまだ出版業界では外側の人間だったことを思い知りました。

 そうなのです。

 次号、つまり9月号の入校は、本当なら8月第2週頃なのですが、

 8月はお盆休みがあります。

 印刷会社も出版社も夏休みです。

 よって、締切もそれに合わせて1週間前倒しになるんだそうです。


 やられた!

 しまった!

 でも、いまさら、他のスケジュールを前倒しできない。

 どうしよう~汗


 少なくとも今週末には9月号の原稿(初稿)を編集部には送らないといけません。

 そこでハタと考えました。

 今週末って? いつ?

 編集者だって休みは必要です、だから週末はNG

 となると、ああ、今日なんですよ、本日14日金曜日。


 参ったなあ。

 まだ8月号の入校から1週間でっせ~。


 初稿を上げるのに、手元作業で最低5日間は掛かるのに、今日かよ~と昨晩から唸っているのでした。

 油断大敵。

 でもね、知らなかったんだよ~。


 夏の罠。

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