第4話 プロットにネタ埋め込んで覚悟決め

 

 エクセルで年間連載の枠を月毎に作り、そこにアイデアを書きこんで行きました。

 頭の中に2つの案:

 1)季節ネタを中心にしたエピソード展開、

 2)現場での必要度の高いものから順にネタを展開

 が浮かび、2案を作成しました。


 重複する箇所はいくつかありましたが、とりあえずほぼ全部が埋まった画面を目の当たりにして、ほほーと私は腕組みしました。

 意外にも、ネタは尽きなかったのです。

 へえ、やるじゃん、と人知れずほくそ笑みました。

 それが、とんでもなく的外れな自己満足な感想だったと後で知ることになるのですが、それはさておいて。


 原稿は一晩寝かせろ、という原則をこのプロットにも適用し、数日それを繰り返し、期限の少し前に編集者さんに送りました。


 すると、翌日には返信があり、

「いずれの案もとても面白いが、可能であればこの2つを合体させてみないか」とのコメントでした。


 確かに、私もそれは感じていました。

 そして実はこの、

「私がなんとなく感じているけど、そのままにしちゃっていること」を

 編集者さんの的確なコメントによって「もっと良いものに改善する」という流れは、これを皮切りにこの後の原稿執筆や推敲のやり取りで何度も体験する、非常にありがたい「物書き修行」となるのでした。


 さて、その2日後に、私は二つを合体させたプロットに仕立て直して送りました。

 と、こう書くとただの一行ですが、頭を捻り尽し、脳内のエネルギーを過剰なまでに消耗するとんでもない作業でした。

 できることなら二度とやりたくない作業のひとつですが、これ無くしては先に進めないと分かっていたので、好物の甘いものをニンジン(餌)に頑張りました。


 そして、翌日には返信を頂き、

「詳細は追々に詰めていくとして、基本的にはこれで行きましょう!」とありました。


 私もようやく、ここで覚悟が決まり、年間連載をお受けすべく、来年度のスケジュール調整に入りました。


 後で編集長を交えてお顔合わせの機会をいただいたのですが、

 どうやら、年間連載執筆者の中で、年間を通したプロットを作った人も、それを編集部に送った人も、私が初めてだそうです。

 きっとそんなことしなくても簡単に書けてしまう大御所ばかりなのでしょう。

 でも、この作業の御蔭で、私は腹を決めることができたのでした。

 世間では、「ジングルベル~♪」が「もういくつ寝ると~」に移るころのことでした。


 

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