第4話ぶち壊せ!ダイレクトアタック!
俺は現実に戻ってくると、アイリスとともにとある場所へと向かった。と言っても、俺の部屋から出て廊下を歩いただけだがな。目の前には俺の部屋と同じ色の扉がある。
「ご主人、ここは?」
「ああ、俺の妹の部屋だ」
「ご主人、妹さんいたんですか?」
アイリスの存在は一般人には見せられない。故にまだ家族にすら話せていないのだ。アイリス自身にも、会わせられないのに興味を持たせてしまうのは悪いからとずっと伏せていた。
「いるとも、可愛い妹が。まあもっとも……」
扉にはガッチリと太い鎖が巻き付いている。あいつ、なんで電子ロックなんてつけてんだ。
「……見ての通り、引きこもってるがな」
「どうするんです?」
「アイリス、ちょっと手伝ってくれるか?」
俺は悪い笑みを浮かべると、アイリスに指示を出した。
☆
カタカタ、カタカタ。
部屋にキーを打ち込む音だけが響く。パソコンの前には布団に身をくるめた
「はじめまして!!」
「ぎゃあああああ!!?」
必死にタイピングしてる画面に金髪の少女が映り、元気良く大声をあげる。それは突然のことに透き通るように良く響く高音で奇声をあげて仰け反ると、そのまま部屋の隅へと逃げる。
ガチャ!ガチャガチャガチャ!!ガンガンガン!!
「ひぃっ!?」
少女が画面の中から話しかけてくるのをガタガタ震えながら耐えていると、今度は扉が大きな音を立てる。あまりの出来事に口からは「ひゅー、ひゅー……っ」と今にも事切れそうな吐息が漏れた。
布団に顔を埋め、両手で耳を塞ぐ。思考がまとまらず、何も考えられない。
ふと、扉の音が止む。そのことに希望を見いだそうとして。
ガシャン!!
何かの壊れる音がした。それと同時にゆっくりと扉が開かれ、薄暗い部屋に光が注ぐ。
「グッモーニン、
そこには十数年を共に過ごしてきた男が片手に電子ロックを持ちながら、満面の笑みを浮かべて立っていた。
電脳(サイバー)エルフは感度がいい 《伝説の幽霊作家倶楽部会員》とみふぅ @aksara
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