マインドクラフト
@oumasan
プロローグ ここはどこ、私はスティーブ
目の前が一瞬真っ暗になり、そのすぐ後には眩しさで目を開けていられなくなった。眩しさの原因はどうやら日光で、強い光で肌が焼かれるのを感じながら、そこまで考えてようやく私は自分が太陽に向かって立っていることに気づいた。
「ここは、どこだ?」
手をかざして目に陰を作り細目で見てみる。まだチカチカしている目が利いてくるようになると、周りの様子が窺えるようになってきた。
信じがたいことに、そこには見渡す限りの平原が広がっていた。丘のように隆起している場所もあれば、窪んで洞窟のようになっている場所もある。遠くのほうには山も見える。
どうやってここまで来たのかはさっぱりわからない。ここに立つ前の記憶もない。
わかることは限られている。私がこれから、どうにかして生き延びる必要があることと、
「私の名前は、スティーブだ」
ということである。
私の服装はシンプルだった。水色に緑を混ぜたような、苔の生えた池みたいな色のTシャツに、作業服のようなきつい群青色をした長パンツ。ポケットの中には何もなかった。灰色のスニーカーは年季が入っている。およそサバイバルに適した装備とは思えないが、この装備で生きていかなければならない。まずは飲み水を求めて川を探すところから始めよう。
最初に立っていた場所から、まずは一番近くの丘を目指して歩き出す。少しでも高いところからなら、辺りを見渡しやすいはずだ。
白黒の四足獣や短い脚で跳ねる耳の長い動物を横目で見ながら丘を目指す。探すべきは飲み水だけではない。彼らのような動物からは肉がとれるはずだ。食料の確保についても考えておかなければならない。
丘を登りきる頃には太陽が真上に見えており、強い日差しが降り注ぐ中、白い幹の木が群生している森の中に池のようなものを見つけた時の感動は思わず跳びまわる程だった。自然と丘を下る足取りも軽くなる。丘を上がる時間の半分ほどで下りきった私は、丘の上から見るよりかなり近くなった白い木の森を目指して歩き出した。
マインドクラフト @oumasan
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