質疑応答とプロット講評
■質疑応答について
こちらは
庚乃アラヤ様の書かれたレポート(https://kakuyomu.jp/works/1177354054882646604)
四丸博康様の書かれたレポート(https://kakuyomu.jp/works/1177354054882648830)
がすごく丁寧にまとめられていますので、こちらでは割愛致します。
鱗が落ちたのは、新人賞の募集枚数について。
私はいつも、文庫にするには少ない枚数を規定にするのだなあと思っていました。しかしこの日の質疑応答で、募集枚数についての回答は納得ものでした。
吉良編集長は、「枚数が増えると一冊あたりの販売価格が上がってしまい、文庫ではなく単行本だと1800円~2000円にもなるので、価格の高額化は避けたい」と回答されました。
確かに、購買層にとって前情報のない新人が、さらに高い本になれば余計に手に取られないですよね……。
だから、まずは手にとってもらいやすい価格帯を作るために、やや少ない枚数を規定に含めているのだなと、すごく納得できた説明でした。
(だそうですよ。友人T様およびT様)
あとは面白いものを書いて欲しいということ。
一番大事なことですよね。
読み手第一!
◇◆プロット講評について◆◇
提出したプロットや題材、それに関する特定の内容については伏せますが、共通して役立ちそうな内容をシェアさせていただきます。
■形式について
プロットの講評は5グループに分かれて、各編集者が同室の別デスクで一人ひとり対面で講評するという形でした。
隣の方と雑談しながら「フルボッコ覚悟ですわ~」「あ、私も……」なんて話ながら順番を待っていました。私とそのお隣の方の場合は、女性の編集の方が対応してくださり、とても柔らかな対応で前向きなアドバイスをしていただけて、大変収穫がありました。
以下、指摘いただけたことは「指」、質問したことは「質」で表記致します。
■講評内容
指:主人公のキャラ付けが弱い
これは自分の悩みでもありました。
テンプレ的なところがあり、巻き込まれ系を書きたがる性質か、トゲのあまりないキャラになってしまうのです。
なので変な意地は張らずに、正直に「悩んでいる部分なのです」と話しました。
《編集の方のアドバイス》
巻き込まれ系はOK。ビブリア古書堂的な配置なので角川文庫読者層に受け入れられると思います。キャラを立たせるなら、そこに背景と葛藤の深掘りがあって、変化としての成長を見せるストーリーに持っていくと良さそうです。キャラクタープロフィールにある「○○に○○」という設定を活かすような、プロットでは読めませんでしたが、「主人公の動機付けがはっきりと分かる中身にする」ことを大事にしてくださいね。
質:題材は自分として面白いと思ってますが、ストーリーが地味というか良くある流れなので、あまり好ましくない気がしています。もう少しひねりを加えるべきでしょうか?
《編集の方のアドバイス》
題材は魅力的です。こういう尖った題材だと、ストーリーは言ってしまうと「ベタ」で「王道」がいいです。尖った設定×尖ったストーリーですと、読者が疲れて付いて来られない可能性が出てきます。先程も言いましたが、「行動の気持ちを丁寧に追う」だけでも良い話になりますよ。あと、数字でガチガチにしたビジネス色はこの場合だと出さない方がいいでしょう。
ストーリーに特徴を出したいなら、ミステリー要素を入れることや、生き死にが絡むじんわりものと振り方はありますので、「人の心に波を起こすこと」を意識してぜひ考えてみてください。
指:巻き込む側のヒロインも成長を
《編集の方のアドバイス》
主人公にも言いましたが、ヒロインも最後にちょっと成長を加えて変化を見せる物語を作るともっと良くなりそうです。これもやはりこの部分で起こす「行動や決断の動機を丁寧に、はっきりと見せること」が重要です。
質:当初は男2人の話でしたが、男性向けを意図して(※)巻き込み側を女性にしました。これは既存の女性読者層にとってどうなのでしょう? 恋愛要素は入れるべきですか?
(※20~30代男性層のシェアがそこそこ存在していると思い込んでいたのでそうしたのです)
《編集の方のアドバイス》
これ以外に女性キャラだけで登場人物を固めていくと、女性読者層からは離れた作品になります。でもちょっとダメな男って女性は好きだったりしますので、男性主人公で、この2人の恋愛要素が加わるのは女性ニーズに沿います。
あとはこの2人がお仕事を通して、接する人たちをどう捉えて、どんな心情を抱くのかを書いていくこと、です。
【講評の感想】
角川文庫の大事しているところは、「人の内面が捉えられていて」、「流れやキャラの登場に突然性がない、整合性の取れたストーリーを描けているか」だと感じました。とにかく、心情を丁寧に描いて、読者をその世界に無理なく入り込めるかが重要なのだと教えていただきました。
なので私は、いつも以上に丁寧に、小手先に走らず登場人物に寄り添う意識で書いてみたいと思います。
【最後に】
今回この場を作っていただいた角川出版様に心から感謝いたします。
ありがとうございました!
第3回カクヨムユーザーミーティングレポート 明石多朗 @T-Akashi
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