異修羅は今カクヨムで間違いなく一番面白いファンタジーだ。

異世界ファンタジー世界で最強を名乗るにふさわしい猛者達が真の強者を決めるトーナメントに参戦する…
異修羅は王道中の王道展開を全力かつ全く新しい姿で描いている。
誰もが知るモンスター達。誰もが知っているストーリー。
誰もが知っている材料を独自に斬新に解釈し直し全く知らない世界を描いて見せている。

その手があったか、そんなことができるのか、じゃあこいつとこいつが戦ったら?この二人はどうやってお互いを攻略するんだ?
ページをめくるのが止まらなかった漫画があるだろう。次の週が待ちきれなかった週刊誌があっただろう。少年の頃に夢中にあったそんな物語が、あの時の心が蘇る物語だ。

この小説の真に魅力的な部分はその描写の妙にある。
「強い」ことをどうやって表現するか、どう見せれば説得力があるのか、そしてその強さとキャラクターの魅力をいかに融合させるか。
一つ一つの無双の強さが確かな説得力と心に残るエピソードと共に描写されている。
だから登場人物全員を好きになれるし、全員の強さに納得できるし、そしてだからこそ誰が勝つのかわからない。
その心踊る強者達の祭宴の裏に隠された遠い過去の秘密、魔王と勇者の謎も物語に花を添えている。

これほど描写も設定もキャラクター造形も上質なweb小説などそうそう読めないだろう。
異修羅は今カクヨムで間違いなく一番面白いファンタジーだ。

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異修羅