第九話 一難去って、また一難

「何をおいても xen を入れないとね」


yum install xen


 ってな感じで、 VMWare 上の CentOS にサクッと必要なソフトをインストールする。


 CentOS などの Red Hat Linux の系統の Linux では、 yum というコマンドで簡単にソフトを追加できちゃうのだ。


 同じ Linux でも、 Ubuntu などの Debian 系は apt-get とまた違ったりするんだけど、そういうバリエーションがあるのも Linux の楽しいところね。


 xen は、専用のカーネル(わからないなら『OSの根っこの部分』ぐらいの理解でいいわ)でないと動かないので、再起動してカーネルを切り替える。


 そうして、


「幸い、 xen の設定ファイルはサルベージできたのよね」


 先ほど取り出した書庫ファイルから、設定ファイルを抜き出して xen の設定ファイルの置き場所の /etc/xen に設置する。


 次に、仮想環境のイメージファイルを設置しないといけないんだけど。


「ホストと共有とかもできるけど、いいや。この仮想環境50GBディスク確保してるから、入るでしょ」


 単純に、 scp で転送する。


「ありゃ? 流石に時間がかかるわね……」


 喉の渇きを発泡する麦茶で潤しながら待つことにした。


 そうして、五本ほど缶が空いた頃。


「終わった!」


 早速、転送したファイルを /var/lib/xen/images に移動し、


「起動するかな?」


 ドキドキしながら、仮想環境の起動コマンドを叩く。


xen create sabae


 あ、 sabae ってのは、仮想環境の名前ね。いい名前でしょ?


xen console sabae


 そうして、起動中の状況を見るために、コンソールを接続する。


「ありゃ?」


 だけど。


「そりゃ、そうか」


 無情にも、ディスクエラーで起動が止まっていた。


 一難去ってまた一難ってところね。まぁ、想定の範囲内だから、ぶっちゃけあり得ない、とか思ったりはしないけど。


「さて、どうしたものかな?」


 とりあえず次の缶を開けて、あたしは対策を考えることにした。

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