6章 『武器』 Power Tool
力がない。体力もない。獲物を倒す爪も牙もない。あまりにも弱い人間に与えられた武器、それは知恵と手先の器用さだった。
物を掴める五本の指、たったそれだけで人間は強くなった。棒を振り回し、火を起こし、石を尖らせ殺傷力を高め、自分たちより強い敵へ戦いを挑んだ。
こうして生物の頂点に君臨した人間の矛先は同族へと向けられた。同じ道具を使う以上は、相手より強力で、より遠くから当てられなければ意味がない。繰り返される破壊の掛け算は、やがて自らを滅ぼせるほどの武器を持つに至った。
力がない。体力もない。獲物を倒す爪も牙もない。あまりにも弱い人間に与えられた武器、それは知恵と手先の器用さだった。
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ドーラに言われた道を進み山を抜けると、遠目に広がる海と、その手前に巨大な都市が見えた。
「大きい町だ!」
「城がない……町単体であの大きさなのか」
メラが思わず声を洩らす。半分港に面したその都市は、遠目でも分かる程に巨大であった。
「あそこなら、ワシの剣も直せるかもな」
「直せるかはさておき、代わりの武器ぐらいは手に入るだろう。金はあるんだから存分に使ってくれ」
「いいのか?」
「攻略上な。幸いにもオレの剣は無事だったし、キオは素手でも問題ないが、爺さんは大剣がなきゃ始まらないだろ? なんなら斧でも槍でもいいから早く何とかしてくれ」
「ううむ」
下山し町にたどり着くまでにも幾度か魔物と遭遇し、交戦した。欠けた大剣は一応武器にはなるものの、扱いにくく攻撃力も激減していた。メラの言う通り、これ以上仲間の足を引っ張りたくはない。
「まあオレも、設定上で鎧が脱げないとなると、せめてアクセサリーは欲しいな」
「なんじゃ、女はゲームでも化粧をしたがるのか?」
「いんや。大抵RPGってのは、身に付けただけで体が丈夫になったりする、魔法の指輪とかがあるもんなの」
「ふうむ、魔法とは便利じゃのう」
そう話していると、竜の鳴き声が聞こえた。見上げれば竜に乗った商人が、町に向かって飛んでいく。
「小型の竜だ。凶悪なモンスターと言うよりはセスナやヘリみたいなもんかね」
メラが関心しながら言った。考えてもみれば、別にこの世界で竜はさほど珍しい存在でもないのかもしれない。
「……あれなら、町まで飛べるんじゃないか?」
振り向けば、キオは既に翼をはためかせていた。明らかに自分の出番を待っている。
「山じゃ飛べなかったけど、ここなら行けるよ!」
「フィールドマップなら飛べるか……確かにザコ戦闘は飽きた」
私とメラは目を合わせると、迷わずキオの背へと飛び乗った。
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【商業都市バハラ。港に面したこの町は、ありとあらゆる流通経路を持ち、どの勢力からも侵略や支配を受けず、独立した巨大都市である。】
【この町では金が法律である。金と最低限の礼儀さえ持っていれば、人も魔族も、一国の王も犯罪者も、店の前では一介の客に過ぎない……。】
【改めて、ようこそバハラへ。】
「……だそうで」
メラが入り口でもらった冊子を読み上げていた。膨大な敷地面積と際限無く続く建物は、大型ショッピングモールか、巨大テーマパークを彷彿とさせる。
「確かに、竜を見ても誰も気にしとらんな」
時代や世界は違えど、活気のある場所は空気で分かる。おそらくこの世界の冒険者、商人、富豪たちは、あらゆる物資を求めてこの町に引き込まれるのだろう。
「しかし予想以上に広いな……どうよ。宿だけ取っておいて、あとは自由行動ってのは?」
「バラバラに動いて大丈夫か?」
「ガキじゃあるめえし、迷子にゃならんだろ。治安の悪そうなエリアにさえ入らなければ問題ないだろうし」
「ぼくはガキだけど?」
「ワシはジジイじゃぞ?」
「じゃあ二人くっついてろ」
メラが大胆な提案をする。確かにこれだけ広いと、互いの買い物に付き合う時間がない。
「それもそうじゃな。キオは一緒に来るか?」
「うん!」
「あー、お爺さん困りますよ」
会話に割って入るように、一人の男が現れた。
「馬はまだしも、さすがに竜は通行の邪魔なんで、この町にいる以上は小屋に居てもらわないと……ほら、案内しますから」
男はキオの頭を掴もうとするが、キオは首を振る。
「止めてよ、自分で行くからさ」
「ほう
喋るキオには気を止めず、平然と奥へ進む男に、私たちは戸惑いつつも付いて行った。
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「ほい、外来者の家畜や魔獣はここね」
案内された場所は、まるでサーカスのような大きいテントだった。中には無数の檻があり、牛や竜といった動物が入っていた。
「中には簡易式の便所も付いてます。餌をやったり、町を出る時は受付までお願いしますよ」
辺りを見回すと、大小様々な動物が、檻の中でおとなしくしていた。よく見ると一斉にキオへ視線が向いており、緊迫のあまり身動きすら取れてない様にも見える。
「まぁ……腹も減らないし、トイレも大丈夫じゃな?」
「そうだけど、退屈だし早くむかえに来てねー」
楽しそうに近くのライオンを睨み付けるキオに別れを告げ、私たちはテントを出る。適当な宿屋を見つけ、それぞれ個室で予約を取ると、私たちは別れて町へと出た。
私の目的は剣の修理だ。地図と看板を頼りに、片っ端から武器屋と鍛冶屋を尋ねるが、職人は皆口を揃えて同じことを言った。
「こんな鉄の塊、直しようがない」
中には剣を一目見ただけで首を振る者もおり、誰一人まともに取り合ってもくれなかった。
代わりに他の剣や武器を勧められるが、どうにも気乗りがしない。むしろ他の剣を使える気がしない、と言った方が正しいのかもしれない。
(まあ、物を捨てられないのが日本人だよな)
折れたままの剣を背負い、町中をさ迷う。ふと路上に腰を下ろすと、橋の下に剣の看板が見えた。影に隠れる様に立てられた看板は、どこか人目を避けている様だった。
(この際だ、全部の店に入ってやる)
階段を降りて、橋の下へ向かう。粗末な看板には記号の様な文字が書き殴られていたが、私には日本語でスラスラと読む事が出来た。
【強者に相応しい武器を ~鍛冶屋シバ~】
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「すいません」
鍛冶屋に足を踏み入れる。日も暮れ始めているのに、明かりもない店内は洞窟のように薄暗い。
(休みなのか?)
「強者に武器を! 武器には強者を!」
突然大声が聞こえると、店の奥から小さな男が現れた。
「お前は、武器を持つに相応しい強者か? 見てやろう」
男を見下ろす。子供のように体は小さいが、パンパンに膨れ上がった腕の筋肉や、髭の生えた顔、何より潰れた低い声は明らかに大人である。人間とは違う種族なのだろうか。
「どうした、人の体をジロジロと……そんなにドワーフが珍しいか?」
「いやその、すまない」
私は戸惑いつつも、欠けた大剣を男に見せた。
「これを直してほしいんじゃが……」
「はん。武器を壊すとは未熟者が。そんな奴に直すものは……」
言いながら剣を見るにつれて、男はやがて軽口を止めた。
「……おいおい、こいつぁ『ヘビーメタル』? お前、まさかゴウトか!?」
「ああ」
「久しぶりだな! 何だ何だ、見ないうちにすっかり老けやがって! シバだよ、俺のこと忘れてないよな!? まあ座れよ!」
シバと名乗る男は嬉しそうに手を握ってきた。どうやらゴウトの知り合いらしい。私は愛想笑いで相手の調子に合わせた。
「で、直せない事は無いが、どうして最強の剣が折れてるんだ?」
突如シバの声が鋭くなる。私は洞窟で大臣との戦いの顛末を話した。
「爆弾か。自分は死なない様に、離れた相手だけを倒す、卑怯者が使う道具だな……で」
シバは顔をグイと近付けた。
「お前は、その卑怯者に負けたと。最強の剣士が、最強の剣を使って」
まるで自分が恥をかかされたような、包み隠す気のない侮蔑と怒りが、言葉に込められていた。
「いいか、俺の『ヘビーメタル』はな、あの鉄をも溶かす竜の炎も防げるんだ。つまりは壊れない、壊れない武器はどんな物にも打ち勝つ。これが最強たる由縁だ」
シバの喋りは止まらない。気付けば私は聞き手の一方である。まさかこの歳で説教を受けるとは思わず、私は少し情けなくなった。
「……しかしな、一個の爆弾ならまだしも、まとめて大量に降ってきたんだぞ。それに大量の岩にも埋もれた。剣が大きいぶん真っ二つにもなるじゃろ」
「そうなる前に倒せ。一撃で全て終わらせられるんだ。最強の剣士が、最強の剣で負けるんじゃねえ」
「やっぱりワシのせい?」
「何度も言うがお前のせい」
私は少し苛立ち始めたが、やがて良い反論を思いついた。緩む口元を抑えながら、私はこう切り出した。
「なるほど。話を聞くかぎり、竜の炎は防げても、爆弾は防げなかったワケじゃな」
そう言うと、シバが一瞬固まった。私はテーブルに手を突き、顔を伸ばしてシバに目線を合わせる。
「確かに当初は最強の剣だったかもしれない。だが爆弾に負けた以上、もう最強とは言えないのう。改良が必要なんじゃないか?」
「んだと!?」
怒ったシバが突如私の髪の毛を掴む。痛みはないが、かなりの腕力でグイグイ引っ張られる。
「俺の武器が駄目だと言うのか!?」
「事実じゃろ! 爆弾で剣が欠けちまった、耐久力が足りなかったんじゃないのか!」
「これ以上どうしろってんだ! あれは俺の最高傑作だぞ!?」
「ワシは……人間は鍛えて強くなれるが、武器は強くなれない! 誰かが手を加えなければ……」
「……そうかい!」
シバが手を急に離すと、私は後ろへ引っくり返った。衝撃で頭がフラフラする。
「ったく、しばらく見ないうちに口数まで増えやがって、お前のワガママなんざ初めて聞いたよ」
「それで……剣は直してくれるのか?」
「ああ。だが、ただ直すんじゃねえ、もう一度最強の剣を作ってやる! 俺が俺を越える為にな!」
日もすっかり落ちた店内に、シバの豪快な笑い声が響いた。
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キオは大きくあくびをすると、周囲の動物がそれを見て驚く。サーカスの見せ物であろう百獣の王ライオンでさえ、自分より遥かに大きい竜を見て怯えていた。
(何か、捕まってばっかだなあ)
先程用事の済んだゴウトとメラがやってきて、しばらく雑談をしていたのだが、やがて二人は宿に戻ってしまい、キオはまたも暇を持て余す。
巨体ゆえに町を歩けず、怪物ゆえに人と相成れず。最初こそ竜の肉体を純粋に喜んだが、学はやがて不便さを覚えるようになっていた。
「あのう、キオさん、でよろしいでしょうか?」
不意に声をかけられ、キオは周囲を見渡す。すると街へ行く途中で見かけた、商人が乗っていた竜がこちらを見ていた。
「話しかけたの君? ぼくを知っているの?」
「は、はい。名前は、失礼ながら話を聞いていました」
キオよりも一回り小さいその竜は、少し怯えながらも、懸命に会話をしていた。
「君もしゃべれるんだ」
「はい、僕も賢竜です」
「けんりゅう……?」
「人の言語を理解する、希少な竜です。僕はその能力を生かして、人間と仕事をしています。あなたは?」
「ぼくは一緒に旅をしてるだけ。それに、本当は竜じゃないんだ。人間に戻る方法を探してるの」
もちろんこれは建前であり、真の目的は祖父と共に日本に帰る事である。しかしこの世界にいる分には、多少なりとも役を演じる事をキオは意識していた。
「竜になった人間ですか。まるで昔話みたいですね」
「どういう事?」
「遥か昔、それこそ『旧世界』と呼ばれていた時代です。人や魔族の戦争で竜が主力兵器だった頃、人間が竜になったという話があります。具体的な方法や記録までは不明ですが……」
「ふうん。君って物知りなんだね」
キオが誉めると、竜は得意気に鼻息を吹いた。
「ねえ、君の名前教えてよ」
「僕はデオです」
「デオか。よかったら友達になってよ」
「も、もちろん。僕もそのつもりでした」
キオは喜ぶと、そのまま夜が明けるまで話し合った。騒ぎすぎて係員に怒られ、やがて疲れて眠りに付いた。
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(退屈だなぁ)
翌日、メラは街を散歩していた。昨日ゴウトから告げられたのは「剣が直るまで、時間がかかる」ということだった。とうに装備品や道具を揃えたメラには思わぬ足止めである。
キオを連れて外で魔物を倒し、金と経験値を稼ごうかと思ったが、万が一全滅した場合を考えると、外出する気も失せた。
(何あれ)
メラは遠目に、橋の上で槍を振り回す、カゴを背負った男を見た。近づいてみると顔こそ布で隠されていたが、背格好でゴウトだと分かった。
見たところ、ゴウトの槍さばきはムチャクチャだったが、怪力に物を言わせてとにかく激しく振り回し、相手は近寄る事も出来ず、訳も分からない内に追い込まれていた。
「さあ武器を置いていけ」
「ひい! 何なんだチキショー!」
槍を突き付けられた男は、持っていた剣を放り投げ、その場から逃げていった。
「……爺さん、弁慶のマネか」
メラがやや呆れた様子で声をかける。
「メラか、いや剣を直すのに大量の鉄が必要でな、刃物を二百本集めてこいと……」
ちなみに「どうせなら二百人倒してこい」と提案したのはシバである。ゴウトとてそんな事はやりたくなかったが、大量の鉄が易々と手に入るわけもなく、泣く泣く従うしかなかった。
「で、追い剥ぎをやっていると」
「失礼な。相手はちゃんと選んでるわ」
ゴウトは橋の先を指差す。
「あっちは治安が悪いらしくてな、こうして幾つか橋を作って隔離してるんじゃと」
「で、悪党っぽいのにケンカふっかけてると……まあ無茶すんなよ」
そう言いながらメラは橋を渡ろうとする。ゴウトはすかさず槍で止めた。
「人の話聞いてたか?」
「散歩だよ散歩、すぐ帰ってくるからさ」
槍を手で掴み、その下を潜ると、メラはそのまま橋を渡っていった。
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橋を越えると、それだけで明らかに景色が変わった。濁った川、傷んだ建物、歩いている人間は見るからに悪党面。絵に描いたような「危険区域」である。
(やっぱ日本のゲームだな、治安の悪い場所って、似たり寄ったり)
道を歩く酔っ払いやチンピラが、盗賊や戦士に変わっただけのこの場所に、メラこと鈴木純子は懐かしき日本を、自分にとって日常の風景であった繁華街を思い浮べる。
(そうだ、帰ったら久々に「中華大戦」のラーメンを食べにいこう。量が多いってアイツは嫌がるだろうが、無理矢理にでも連れて……)
やがてメラは、辺りから浮いた豪華な装飾の建物を見つけた。さんざん古代言語みたいな文字をそこら中に置いておきながら、そこだけアルファベットで堂々と「CASINO」と打たれた屋敷は、橋の手前側ではついに見つけられなかった賭博場であった。
(世界観統一しろよ……)
近寄る客引きを無視して、早足で入り口へ向かう。どうやら会員制でないらしく、何事もなく店内に入れた。
ボディガードを連れた富豪が酒を片手にポーカーを興じ、バニーガールの尻を触ろうと気弱な男が震える手を伸ばし、負けが込んで衣類まで売り払ったのか、半裸の男がスロットマシンの前で叫んでいる。これもまた、絵に描いたようなカジノの風景だった。
(さて、どれにするか)
ギャンブルとは一攫千金とよく言われるが、冷静に考えてみれば利益が上回らないと成立しない事業である。なので一握りの幸運な人間だけを勝たせ、それ以外の人間が負ける様に出来ている。それこそ確率の問題とも言われるが、その確率さえ店に操作される事もあり、ある種割り切って遊ぶべき娯楽とも言われる。
ちなみに、純子はそれを熟知しているため、ゲームセンターなどに置いてあるようなメダルゲームのスロットこそやるが、本物のスロットをやる気は毛頭無い。積み重なるメダルの山と、流れゆくスロットの演出を眺めるのが彼女の至福の時だ。
「ギャンブルは絶対に儲からない」、しかしそれをゲームにまで持ち込むのは野暮な話である。リスクこそあるが、ゲーム内のギャンブルは比較的ユーザーを「勝たせる」様に出来ている。メラはゲームの経験を生かし、確実に勝てる方法を模索し始める。
(セーブ&ロードが使えればポーカーが手っ取り早い。でもまあ無理だからスロットしかないか……)
メラは手持ちの資金をメダルに変え、全てのスロット台を軽く打つ。その後、メラは一つの台に座り、黙々とスロットを回し続けた。
そして数時間も経つと、メラは注目の的だった。スロットは連続して大当たりし、みるみるうちにメダルの山が築かれる。それは傍目に幸運の女神が降りた様だった。
「なぁ、必勝法でもあるのか?」
先ほどの半裸の男が寄ってくるが、メラは顔も見ず「気合」「勘」等と適当に言って追い払う。
(当たりが出やすい台に簡単な目押しだけなんだがなあ……現実でも、こんだけ楽に勝てたらなぁ)
ゲームの世界に店の利益など無い。プレイヤーに娯楽と資金を提供するために生まれた賭博場は、少しの技術と時間さえあれば、誰にでも簡単に稼げる場であった。無論、一人勝ちは『主人公』の特権だが。
「でもよ、そんなに多いと使いきれないだろ? 少しぐらい良いだろ? な?」
男はしつこく絡んでくる。純子はふとキャバクラの仕事を思い出すが、平然とスロットを回し続けた。
「冷たいなー。同じ聖騎士団だろ?」
「あ!?」
その一言に、メラは驚き振り返った。
「この絶世の美男子を、忘れたとは言わせないぜ」
「その臆面もない、堂々とした自己陶酔……アンタ!?」
鎧も剣なく、ズボン一丁だけのその男は、聖騎士団ナンバー2、ヤック・エボルタだった。
「……取り込み中失礼します」
声に振り向くと、いつの間にか屈強な大男たちが周りを囲っていた。無理矢理着たタキシードからは、発達した筋肉がはみ出ようとしている。そして目元には定番のサングラスまでかけてある。
「店長より、お客さまの勝利を祝うよう言われました。別室へとご案内します」
カジノで別室とは、レートを上げた別のゲームへの誘いか、はてまた治安の目も届かない空間での私刑か。何にせよ、この男たちの案内する『勝利の祝い』など、容易に想像が出来た。
(ペナルティかよ、簡単に勝てると思ったら、なんてゲームだ……)
メラは溜め息を吐くと、ヤックに予備の剣を放り投げた。
「同期のよしみだ、メダルを分けてやるよ。代わりに手伝え」
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