エピローグ その 鏡にうつる笑顔は…

 つまり、私がここに来たのは聞こえたから。

 

 箱の中身は空っぽ。何かが飛び出してきた気配はない。

 結局そういうことなんだ。私の場合はね。


 かつて大罪は八つだったという。

 虚飾が傲慢、憂鬱が怠惰と合わさり、妬みが追加されたと。


 箱の最後に残ったものは希望。

 予兆であるとも、実は酷いものであるとも聞く。


 私は、全てを持っている。


 出来ることは、なんだろう?


 鏡に向かって笑ってみる。

 まだ、上手く笑えないかな。


 でも、ちょっとだけ気分が良くなった。

 みんなも自分の物語を生きて乗り越えたら、きっと同じものが見えるんじゃないかな?


 全く同じじゃないだろうけど、どこかでつながっていたら嬉しい。


 私は、今日も生きてるよ。


(...Completed.)


/鬼鳴り 終わり/

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響・鬼鳴り 風祭繍 @rise_and_dive

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