第22話 Diopside
男は別に何かしてくるわけでもなく…受け身で
気になったのは、タケルと同じような場所に絆創膏を貼っていること。
2度の射精を迎え、少しすると形態のアラームが鳴る。
「後20分ですけど…シャワー浴びますか?」
「ん…そうだね、そうしようか」
立ち上がり一人でシャワールームへ向かう。
少し遅れて
後姿を目で追う
( PTD…
派手なパンティに長い脚を通しながら、PTDの刻印をチラチラと見てしまう。
「気になるのかい?」
男が
「なにが…ですか…」
「ん~とぼけなくていいよ」
「だから、なにがですか!」
少し声を荒げる
「ククククッ…紫の涙のことだよ…」
「………帰ります……」
手早く身支度を整えて、店に電話を入れようとする
「ん…やめてください!」
男の腕の中から逃れようとする
意識が
ククククククククッ………遠のく意識のなかで男の耳障りな含み笑いが不愉快だった。
(タケル…たすけて…)
時間が過ぎても連絡が来ない。
外で待っているタケル、嫌な胸騒ぎがする。
タケルは
「遅いよ~サード」
男の声がする。
「…サード…誰だお前!
「
「貴様…誰だ?」
「ん~…追ってきなよ…会えば解るさ、サード」
そこで通話が切れた。
「クソがー!」
タケルが車を急発進させる。
目的地は知っている…あの施設だ…。
(俺のことをサードと呼ぶのは、施設の者だけ…)
自分が逃げてきた、その道のりを逆に辿る。
そう…
嫌な記憶…ツライ記憶…でも憧れたフェンスの向こう側…高揚感もあった。
(あのときと同じだ…油断した! 俺はバカだ! 繰り返してしまった…また連れ去られるとは…)
今度は取り返す!
Diopside…『無色透明、黄緑色、緑色などで透明感があり、見る方向によって違った色合いを示す。石言葉は道しるべ』
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