第2話幼馴染

学校が終わった後、俺は佐竹と自分の部屋にいた。


「ここの公式って何だっけ?」


俺が質問すると佐竹は、またかという顔をして…


「…俺の思い違いじゃ無かったら、お前は1週間前に、同じ問題をスラスラ解いていたぞ」


「仕様がないだろ?人間、興味が無いと直ぐに忘れるんだから…」


俺の返事を聞き、佐竹は仕方無いという顔をして答える。


「使うのは、ユークリッドの互除法だ。今度は覚えろよ1年生の内容だぞ」


「大丈夫5日間は覚えてる。というかユークリッド互除法って何だっけ?」


「そこからか…」


佐竹は溜息をはいて俺にユークリッド互除法を教えてくれる。佐竹は成績上位者だからテスト前によく教えを請うのだ。だが…


「すまん、佐竹。ユークリッド互除法は知ってた。わからないのは応用の方だ」


「まあ、確かに計算式が長いとは思うが、大学行ったらもっと長くなるぞ」


「いやいや、俺が覚えられないのは興味がないからであり、勉強をしてない訳ではない。それに、ユークリッド互除法は大学出たら一回も使わないなと考えると、やっぱりやる気出ない」


「そう思うなら教育委員会に直談判するか、生徒会入って校長に根回しするかしろ。俺に言うな」


佐竹…


「なあ教育委員会じゃなくて文部科学省だろ?後、何でお前は俺を生徒会に入れようとするんだ?そして、賄賂は違法だぞ」


間違いだらけな提案を一つ残らず潰してやった。


「一生徒の言う事を国が聞く訳無いだろう?そんな事があったらこの国は滅んでるな。そして、誰も賄賂なんて言ってない。生徒会を勧めるのは、オッズ…お前が余りにも文句ばかり言うからだ」


「おい佐竹お前賭けてるんだろ!俺が生徒会立候補するか、そして当選するか賭けてるんだろ!首謀者を言え!」


「な、なんのことかな?」


こいつは昔から嘘が下手だ。


「…言わないとお前の部屋に仕掛けてあるカメラの映像と、盗聴器の音声を合成してネットに挙げるぞ?」


「おまっ、いつ仕掛けた‼︎というか盗聴器ってどこで買うんだ?嘘だろ?普通に犯罪だぞ‼︎」


「…お前さ、一年生の時に警察官が学校来たの覚えてるか?」


戸惑う佐竹に俺は問う。


「確か…『性的犯罪の抑制』とかいうやつだろ?関係ないじゃん‼︎」


「いいや関係あるな。内容のせいで男女別になったから、遠慮が無くなった、俺のクラスではある質問をした奴がいた」


「ゴクリ…」


「『青姦は犯罪ですか?』とな」


佐竹は吹き出してむせているが、話しを続ける。


「それに対する警官の答えは『行為自体を禁止する法律はありませんが、誰かに目撃された時点で、猥褻物陳列罪になります。まあバレなきゃ犯罪じゃないんです』だそうだ」


「…警察は大丈夫なのか?」


…それは俺も思った。


「つまりだ!バレなきゃいいんだよ‼︎バレなきゃ‼︎」


「それを言いたかっただけか‼︎そして、もう本人にバレてるよ‼︎」


佐竹がそろそろ殴り掛かって来そうだ。


「悠〜。おじさんから電話があって、直ぐに店に来いだって〜」


階下からの母親の声に答えダッシュで扉迄いくそして「わかったすぐ行く」と叫んでから振り返り…


「残念だったな佐竹。タイムアップだ。後、盗聴云々は全部嘘だ」


そう言って扉を閉めて逃走を開始した。佐竹を逃げながら宥め、家から500m先のおじさんの店にたどり着くのに30分かかった。








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高校生のラーメン屋計画 風人 @sito

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