第2話

音楽が好き。特に、歌うのが好き。

いつからか好きだったのか覚えてないくらい好き。

10代最後の年にして、私の夢はミュージシャンだ。

自分で作って、自分で歌う。

シンガーソングライターってやつ。


初めて曲を作ったのは高2の時だった。

当時好きだった人に向けて、曲作っちゃったんだよなあ。

同期のみんなの前でギター持って弾き語りしてさ。

女の子みんな泣いてた。あれは名曲だよ、多分。

まあ、その子には振られたけど。

あっ、高3の時も、また別の人好きになっちゃってさ。

曲作ったよねえ。これもみんな泣いてた。

文化祭の後の後夜祭で歌ったんだけど、雰囲気抜群。

いい夜だったね、あれは。

やっぱり、この子にも振られたけど。


今思えば、音楽の道に進んどけばよかったなあ。

音楽系の大学に進みたかったけど、親に反対された。

わかってたよ、そんなこと。お金ないし。

結局、妥協して、文系の学科に進学した。

割と名門の大学に入って、成績もなかなかいい方だと思うし、なんだかんだ楽しいし、納得していた。

なのに。


「あんた、音楽やりたかったらやりたいって言えばよかったのに。真剣にやるならお父さんも許してくれたわよ。」


…はあ?

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日記 @marume

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