第24話

「そういうわけだ、真冬。落ち着いてからでいいから、晴と歩とこっち来てくれるか。場所はLINEで送るから。」

「わかった。今晴兄さんが会計してるから、終わったら向かうよ。」

ぱちんと電話を切る。

「ナキ兄。会計終わったらこっち来るって。」

「了解。」

続けざまにLINEを真冬に送る

>晴兄さん、荷物一度車に置きに行くって言ってるから、歩サンとそっち行く。

「ナキ兄。真冬迎え行ってくる。」

俺の突然の行動に、ナキ兄は怪訝な顔をする。

「なんで?」

「晴が車行ったらしい。真冬と歩の2人は…なんか心配だ、いろいろな意味で。」

「ああ…大丈夫だとは思うが心配なら行ってきていいよ。」

ナキ兄は呆れたように俺を送り出す。

店を出ると、遠くに背の低い男女のシルエット。遠くはあるがすぐに届く。

「真冬、歩!」

走りよると、真冬が返事をする。

「なんだ、愛希兄さん。LINE届かなかった?」

こいつ、イヤホン刺したままかよ…。弟の人間としてどうなのかと思う行動に、文句をつける気もしないが、迎えに来て、心底よかったとも、思った。

「真冬、お前なあ…。まあいい。返信しただろ。」

「あ、ほんとだ。」

スマホをチェックする真冬を横目に、歩に声をかける。

「悪いな、歩。」

「いえ、真冬君意外と話聞いてくれるので助かりましたよ。」

「ならよかったけど…。…?荷物まだあるの?晴に渡さなかったの?」

「大したものじゃないですからね。」

「そっか。」

女には、男に渡せない荷物というものもあるのだろう。深くは追求したくはない。

「ま、付いてきてよ。」

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