第2話 迷子列車

いつからだろう白く果てしない世界を永遠と電車で走っている何も無い殺風景な世界あるのは止まらない駅ぐらい

《喜》

《怒》

《哀》

《楽》

《夢》

《愛》どこにも止まらない


そこがどんな所なのかもわからない


この電車はどこへ向かっているのだろう



…ふと座席を見ると、いつの間にか目の前に少女が座っていた



何かの本を読んでいる

本も真っ白



「ねぇお姉さんも座りなよ」


透き通るように綺麗な声の少女


「いいの止まったらすぐ降りたいから」


私の返事に少女は笑う


「この電車は止まらないよ迷子なの。

お姉さんもでしょ?私もそうだもの」


少女の目はこの白い世界に似合わぬ赤い目をしていた。


少し不気味だ


「喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも、夢も、愛も、何がそうなのかわからないの。ねぇ?お姉さんもそうでしょ?」


少女の問を黙って聞くことしか出来なかった私はやはり迷子なのかもしれない


座席に力なく座り込み真っ白な外を眺めた。


ここは迷子列車、乗客は皆どこかの停車駅をただ待っている


そしてまた1人、いつの間にか別の車両に乗客が現れる。





“貴方は駅に降りられる?降りたところは本当の駅なのかな?偽りの、空想の駅かもしれないね?私達はいつだって迷子なの。”



ねぇ?やっぱり貴方もそうでしょう?



endー迷子列車ー

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ショートストーリー まかだみあん @macadamian

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