夢浮橋 その二十四
「何というみっともないことをなさるのでしょう。あまりひどい失礼なことをなさいますとお世話している私たちも落ち度になって罪はまぬがれないことになるでしょう」
などと、がやがや騒いでいるのもうとましくて聞いていられない気持ちになり、顔を衣に引き入れて伏せている。
主人の尼君がこの小君に少し話して、
「物の怪のせいでいらっしゃるのか、正気ともお見えになる時がなく、ずっと長く御病気でしたので、お姿も普通ではない尼君になられたものですから、もしお捜しなさる方でもあれば実に困ったことになるだろうとお案じ申し上げておりましたら案の定、こんなふうに身にしみておいたわしい胸の痛むようなご事情がございましたとは今になって本当に畏れ多いことに存じます。ずっと何日もご病気でいらっしゃったので、いっそう今度のようなことでお心が乱れるのか、いつもよりはさらに正体のない御様子です」
と言うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます