若菜 その一〇一
夕霧は宴の場を六条の院の東北の町に設けた。派手にならないよう、内々にとしたが、今日はやはり儀式も普通とは違って盛大になる。あちらこちらで饗応の宴なども内蔵寮や穀倉院に奉仕させる。
弁当などは宮中の饗宴と同様に頭の中将が勅命で用意した。
出席者は親王たち五人、左右大臣、大納言二人、中納言三人、宰相五人、そのほか殿上人は例のように宮中、東宮、院などから全て参上したので、残る人はほとんどいなかった。
光源氏の座席や調度類などは太政大臣がこまごまと勅命で承って用意した。また当日は勅命によって出席になる。
光源氏もとても畏れ多いことと恐縮して席に着いた。母屋の光源氏の座席と差し向かいに太政大臣の席がある。太政大臣はとても美しく堂々と太っているので、この人こそ今が絶頂の貫禄と老成した徳を具えた人物に見えるのだった。
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