若菜 その四十五

 参賀の人々が来たので、光源氏も御座所に出る時に、玉鬘の君に会った。二人の心のうちには、昔を思い出すことが様々あったことだろう。光源氏はとっても若く美しくて、こうした四十の御賀などというのは、年を数え間違っているのではないかと思えるほど華やかで魅力があり、とても人の親などには見えないのだった。


 玉鬘はこうして久方ぶりに歳月を隔てて、光源氏に目をかけるのは、本当に気恥ずかしいのだが、さすがに昔のままに、目に立つような他人行儀さではなく、親しくいろいろと話し合う。幼い子供たちもとても可愛らしかった。玉鬘は、



「こんなにたてつづけに産んだ子をお目にかけるのは恥ずかしくて」



 と嫌がったのに、髭黒の左大将が、



「こんな機会にでもご覧になっていただこう」



 と言い、二人の子供が同じように振分髪のあどけない直衣姿で来るのだった。

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