藤裏葉 その三

 三月二十日は故大宮の命日に当たるので、内大臣は極楽寺に法事のためお詣りに行った。子息たちをみんな引き連れて、威勢いかめしく、上達部なども法要に大勢集まった。中でも夕霧の中将は誰にもひけをとらない堂々たる風采で、器量などもちょうど今が盛りの成人ぶりに、何から何まですばらしい様子だった。


 こちらの内大臣をひどい人だと恨んでからは、お目にかかるのも気が引けて、とても用心深くしてことさら平静を装っている。そんな様子を、内大臣もそれとなくいつもよりは注目している。


 誦経の布施は光源氏からも届いた。夕霧の中将はマシて万事引き受け、心を込めて奉仕するのだった。

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