梅枝 その十五
車に牛をつける間に、また重ねて
めずらしと故里人も待ちぞ見む
花の錦を着てかへる君
「めったにないことだと北の方もお思いになりましょう」
と言うので、兵部卿の宮は、負けたという顔で苦笑している。ほんとうは兵部卿の宮は独身なのだから。兵部卿の宮に次ぐその他の君たちにも、あまり大仰にしないようにして、細長や小袿など被け物として与えるのだった。
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