行幸 その四十二

 父親の内大臣は、



「裳着の時、仄かな灯影に見た玉鬘の面影を、どうかしてもう一度はっきり見たいものだ。少しでも器量に不足な点があるなら、光源氏の大臣がよもやこうまで大そうにお世話するはずがない」



 など、かえって気になって、もどかしく恋しく思う。今になって、五日のあの夢も、正夢だったのだと、納得するのだった。


 弘徽殿の女御にだけは、明らかになった一部始終を話した。

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