乙女 その三十三

 事情を知っている女房たちは、若い二人をかわいそうに思った。あの夜、陰口を言っていた女房たちは、尚更気も動転して、どうしてあんな幼い二人の秘め事をうっかり喋ってしまったのかと、つくづく後悔し合っていた。


 雲居の雁は何も気がついていないのを、頭の中将が覗くと、本当にいじらしく可憐な姿なので、しみじみあわれに感じた。



「いかに年端のいかぬ人とはいえ、心がこれほど幼稚で慎重でないとは知らず、本気で東宮に入内させようなどと考えていた私のほうこそ、雲居の雁にもまして浅はかだったのだ」



 と言い、乳母たちを責めて叱るが、乳母たちは返事の言葉もなかった。

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