遊べば当然皺寄せがくる

 外出するなと言われても、折角だから勉強するかと気合を入れても、やはり遊びに行ってしまうものである。

 朝から夜までカラオケで歌いまくったり、ゲームセンターでお金が無くなるまで遊んだり、公園で思いっきりサッカーをしたり…。


 春香も、友人達とともにショッピングを楽しんでいた。

「次どこ行く?」

「あ、あそこ気になっててたお店!」

「どっかでお茶しない?」

「いいよ!」


時間に余裕があると、ついついやらなければいけないことは後回しになる。


(はあ、頭痛い…)

土曜の夕方、春香は課題に取り組んでいた。だが、調子が悪い。

(眠い…ぼっーとする…)

「春香、大丈夫?」

「わかんない…」

「病院行ったほうがいいんじゃない?」

「……」

「行こう」

「…うん」

春香はしぶしぶ頷いた。


 病院で診察を受けた。高熱ではあったが、薬を飲めば大丈夫と言われインフルエンザ検査すらしなかった。

「はぁ…」

「まあ、安静にしなさい…」

(欠席かぁ…)

そればかり気にしていた。

「あ、春香。月曜から学年閉鎖だって。二日間」

(え!?)

「よかった…」

「ゆっくり休めるわね」



水曜日、久しぶりの登校である。

「明日香、久しぶりー」

「久しぶり、楽しんだ?」

「私熱出たんだよねぇ」

「本当?大変だったねえ」


「こんなにつぶれたんだから、さすがにテスト範囲少ないだろ」

「だよなー!」


いつも通り朝礼が始まる。

「おはようございます、お久しぶりです。早速ですがみなさんに連絡があります。しっかりメモを取っておいてください」

担任が黒板に何やら書き始めた。

「ちょっと待って7時限目?どういうこと?」

「いつもは6時限だけど…?」

「え、補習?」

教室がざわざわし始める。

「みなさんは、長い間休んでいたので、勉強が追いついていません。なので、来週月曜まで7時限授業を行います」

『えー』

「テスト範囲減らすんじゃないのかよー」

(やばい、どうしよう…)

春香は、皆勤賞はとれそうだがテストで悪い点もとりそうだと、心配になった。


(テストつぶれないかな…、無理だよなぁ…)

学校には活気が戻ってきていた。

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学級閉鎖 彩原裕樹 @15yukitatra

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