僕と彼女の事情と情事（僕の彼女？は風俗嬢2）

第18話 END

　もう逢うの辞めよう。

　好きだし。

　逢えば抱きたいし、それを我慢するのもツライ。

　送迎のついでに『N』の用事を済ませてるだけ、それもツライ。

　だから、もう逢うの辞めよう。

　昨夜…僕は早めに眠った。

　正直に言えば、昨夜、逢う前から、もう終わりにしようと思っていた。

　彼女の笑顔を最後に見たかっただけ…。

　もう…これで思い残すことは無い。

　彼女を送った後、これで死んでもいいと思えた。

　朝起きて…僕の気持ちは変わってなかった。

　夕方、彼女にメールしたのだ。

　彼女からの返信は…

　笑いたいから会いたいのに、会ってツライならしょうがない。

　苦しめたくないから…。

　傷つけていると思ってた。

　すごく楽しい毎日だったよ。

　もし、昼間会えるようになったら誘うから、嫌でなければ…。

　そんなメールだった。

　返信はしない…。

　これでいい。

　できれば他の誰かと幸せになってくれれば…。

　僕じゃダメだから…。

　本当に愛していた…風俗嬢であろうと、関係なかった。

　嫌な部分も含めて、愛おしかった。

　今でも…抱きしめたい。

　店で呼ばなければ逢えないなら…これからすぐにでも…。

　なぜ…気持ちがあるのに…好きだからこそ、逢うことがツラくなる…。

　そんなことがあるなんて思わなかった。

　きっと…今までの別れの中で一番ツライ。

　本当に大切だと思った…。

　きっと一番、大切に…。

　今まで心を通わせた女性に対して、申し訳ないと思う別れはある。

　だけど…彼女に対しては、申し訳ないというより…なぜ？という気持ちが強い。

　思えば、この3年間、僕の心の中心に彼女はいた。

　芯を抜いて…僕の心は空っぽになった。

　もう悩むことは無いのかもしれない…でも笑うことも無さそうだ。

『普通に付き合いたい』それが、こんなにも難しいことだと思わなかった。

　食事ひとつがイベントのような関係だった。

　イラついたし…呆れたし…でも、その何倍も笑えた。

　そう…笑えた。

　もう…それもない。

　ずっと独りの食事だ…笑うことなど無い。

　幸せにしてあげたかった。

　せめて、幸せになってほしいと思う。

　愛しているよ…ずっと…ずっと…今だって…。