1-17『そして何も言えなくなった7』
その駅周辺の繁華街は、この辺りでは最大の規模だ。俺や友利、さなかがたまたま学校の近辺に住んでいるだけで、大半の生徒は電車通学なのだから。必然、人数を集めようとした場合、こちらの大きな《駅》に出ることになる。遊べる場所が比べものにならない。
俺と友利は、連れ立って電車を乗り継ぎ、待ち合わせ場所を目指した。駅構内にある、いったい何を象っているのかいまいち謎な巨大オブジェは定番の待ち合わせスポットだ。
十時に待ち合わせの約束で、俺たちが到着したのはその十分前となる午前九時五十分。
着いたときには、すでに勝司も葵も到着していた。今日はこの四人で行動する。
「おーい。遅えぞ、おふたりさーん?」
にやりと笑って口火を切る勝司。俺もまた笑って答える。
「いや、時間には間に合ってるだろ?」
「こういうときゃ、最後に着いた奴が奢りってのがお決まりだぜ?」
そこで友利も会話に参加した。
「むむ。てことは、わたしが払うべき、かな? 微妙に我喜屋の後ろ歩いてたし」
相変わらず友利の外面には驚かされる。なんか慣れない。
勝司は慌てたように手を振って、
「いやいや叶ちゃん! 女子に払わせるなんて男じゃないぜ」
「そっか。じゃあ代わりに勝司の奢りってことで」
「おう、任せろ――いや待て話が変わったぞ叶ちゃん!?」
このふたりの会話には、なんかこう、言葉にしづらい妙なレベルの高さみたいなものを感じる気がしてならなかった。
どちらも冗談を、明確に社交の武器として使っているというか。
ともあれ、そちらはとりあえず放置して俺は言う。
「おっす、さなか。おはよう」
「あ、うん! おはよう、未那!」
ちょっと腰を屈めて敬礼ポーズを作るさなか。かわいい。
さなかは、勝司とはまた違った意味でのムードメーカとして集団に機能している。常に明るく振る舞っており、ある種の能天気ささえ感じさせるほどなのだが、決してそういうわけじゃない。周りを明るくするために、まず自分が輝いているような感じがするのだ。
場の雰囲気が沈みがちなときほど、明るく振る舞っていることからそれがわかる。
いわば勝司が輪を作り、その輪を下からさなかが押し上げている感じか。世の中、リア充なんて言葉はもはや一種の罵倒語として通っているが、舐めてはならない。
本当のリア充ほど、いろいろなことを考えている奴はいないという話である。
「いやー、なんか新鮮だねっ」えへへ、とふにゃけた笑みでさなかが言う。「いつも学校で会うからさ。うんうん、未那もなかなかセンスあるじゃん、私服。えと、かっこいいよ!」
「え、マジで? サンキュー。そんなこと言われたことなかったわ」
超なんの気ない感じで俺は笑ったが内心ドッキドキだった。
言われたことがないというのは嘘じゃない。中学までの俺は、全身が大量生産品で固められていたのだから。未だにセンスも培われていない。
ぶっちゃけ持っている服の大半は、旧友にコーディネートしてもらっている。
ともあれ、褒めてもらう分には喜ばしい。ここは男として、やはり返すべき箇所だろう。
ていうか服の話にシフトされてその方面を掘り下げらたら死ぬ。
「そういうさなかも私服かわいいじゃない。うん、いいコーディネートだよね」
掘り下げられなくても死んだっていうか自爆した俺だった。
俺が思うに『いいコーディネートだよね』とか雑なこと言う奴は百パーセント何もわかってない。ソースが俺。
とはいえ、服がかわいいのは事実だ。
ていうかまずさなかがかわいい。なんならえろい。
すらりと長い脚を露わにしたショートパンツ。上着に羽織っているデニムのシャツも相まってどこかボーイッシュなイメージだが、快活で元気のいいさなかに実に似合っている。
あと足すごい。足に目が行きそう。足やばい。むしろ俺がやばい。
もう少しマシな褒め言葉が俺から出ればよかったものを、下手に口を開くと「足がいいね」とかセクハラはっしぐらな台詞しか出てきそうになかった。ダメすぎか俺。
だがさなかは、俺のそんな下手くそな褒め言葉でも喜んでくれたらしい。
「え、えへへ……そっかな。あ、ありがと、未那」
やはり妙に褒められ慣れていない様子のさなかだ。この程度の称賛くらい、いくらでも受けてきただろうに。
素直に喜んでくれるものだから、こちらとしても嬉しかった。
「うーし、そろそろ行くぜー。ほらほら置いてくぞー?」
と勝司の声。連れ立って歩き出す友利と勝司の背中が見えた。
さなかがこちらをちらと見上げて、はにかむように笑顔を見せた。
「うっし! 行こうぜ、未那!」
「……おうよ!」
俺もテンションを上げてそう答える。
さて、楽しい青春の始まりだ。
まず向かったのは、駅西口の近くにある複合型のデパートだ。
駅の二階部分の出口からそのまま直通できるようになっており、服飾店から喫茶店、食料品店、果ては煙草専門店なんてものまで入っている。
下が見える吹き抜けの横を通って、エスカレーターで上へ。
訪れたのは、雑貨や日用品などが大量に並んでいるエリアである。
というのも午前中は、俺と友利がメインで独り暮らしに必要なものを購入する、という予定になっているからだ。お互い、引っ越しに際しては必要最低限のものしか運び込んでいないため、割と部屋の中が殺風景になってしまっていた。
実際に生活を始めてみたことで必要なものもわかってきた頃合いだから、ここらで見ておこうという発想だ。
逆に午後からは、勝司やさなかの目当てに付き合うことでバランスを取っている。
さて。フロアに着くなり、友利はさっそくのようにキッチン用品の並んだエリアへ特攻してしまった。
凄まじいマイペースっぷりだったが、半ば誘蛾灯に惹かれる羽虫レベルのふらふらした足取りを見るに、たぶん無意識だったのだろう。
実家ではせいぜい手伝いくらいと朝に聞いたが、これはおそらく嘘、というか建前だと俺は読んでいた。友利のことだ、やるなら絶対にそんなレベルでは済ませない。
明らかに趣味だ。
凝り性の友利なら、一度始めたら確実に夢中になる。俺も同じだから、その気持ちはよくわかった。
「あはは……叶ちゃん意外とマイペースだよな」
苦笑する勝司。
違うよ。そうじゃないよ。
つまりぜんぜん意外じゃないよ。
あいつはそういう奴だよ。
「オッケー! 俺があっちに付き合うから、未那はさなかといっしょに回れな!」
「あー、オーケー。わかった。んじゃそっちは任せるわ」
勝司の提案に、頷いて俺は答えた。
ひとりで気ままに回ろうとする友利の気持ちがわからないわけではなかったが、今日はこうして友人たちと複数人で来ているのだ。その辺り、友利も空気くらいは読むだろう。
こんだけ猫被って周りと会話できるんだから。コミュ力自体は友利は持っている。
「上手くやれよ!」
なぜか親指を立てて、謎の笑みでもって去っていく勝司。
いや、それは意味がわからないが。なんか上手く買い物するコツでもあるのだろうか。
「どういう意味だ、今の?」
隣に立つさなかに訊ねてみる。
さなかは、なぜか満面の笑みを浮かべて、
「勝司の言うことなんか気にしなくていいよ!」
割と酷いことを言った。
「……お、おう……そうか」
「うん! 勝司の言うことなんて気にしなくてオッケー! 忘れよう!」
「そこまで言ってやらんでも……」
「忘れよう!」
「わかった忘れた」
あっさりと裏切る俺であった。
いや、だって今のさなか、なんか若干、怖いんだもの……。
何かの暗号か符丁だったのかな。ちょっと疎外感。
「で、なんの話をしてたっけ?」
露骨に話題を変えるようにさなかが言ったため、それ以上の追及を俺は避けた。
「欲しいものがあるって話。今日はそっちを見て回りたくて」
「なになに?」
「――電気スタンド」
引っ越しに際して持ち込まなかった、というか持ち込むという発想を忘れていたもので、個人的に最も後悔したのがデスクライトだったという話で。
これでもそこそこ読書家を自負している。
というか、そうでなくとも自宅で勉強はするわけだし、あって困ることはまったくないだろう。財産をはたくに値する品物だ。
特に友利と同居することになってから、室内の光源が天井のライトしかないということに俺は不便さを感じていた。
基本、俺のほうが友利より先に眠るため、今のところ大した問題があるわけではないのだが、逆に夜中、友利が小さなデスクライトを使って読書なりなんなりをしているのを見るのが羨ましくなってしまったのだ。俺も欲しい。
というわけで、その手のものが並んでいる一角にさなかと向かった。
別に家電量販店ではないため、そう種類が豊富ではなかったが、代わりにデザイン重視のものが多い。せっかく自分用として購入するのなら、機能性や利便性より趣味に走りたい。
しかしまあ、最近のデザイン家電ってのはいろいろわからないものもあるもんでして。
「え。え、何これ、むっちゃかわいい……っ!?」
ライトが並ぶ一角に来たところ、そのひとつに目をつけたさなかが目をキラキラ輝かせて言った。
確かにまあ、かわいいといえばかわいいライトではあった。
「見てほら帽子! 帽子かぶってる、かーわいぃ……っ」
俺の手の裾を軽く引っ張ってさなかがはしゃぐ。
そのデスクライトは、本体の部分が小人のように手足を象っている一品だ。そのため、さなかの言うように傘の部分がまるで帽子に見えて、確かにとてもかわいらしい。が、
「却下」
「えーっ! なんでっ!?」
割と本気でショックを受けたらしいさなか。両腕に小人ライトをきゅっと抱き締めて、まるで守るみたいに俺を睨んだ。何この子めっちゃかわいいな、おい。
「でも却下」
「だからなんでなのさー?」
「いや、だって使うとこ考えてみてよ」指で小人の帽子をつついて俺は言う。「暗いところに、光るこいつが立ってたら、……こう、なんか怖くない?」
「えぇー、かわいいよー」
お前のほうがかわいいよ!
と言おうかと一瞬だけ思ったが普通にキモいのでやめた。
しかし、こうも推されていると、確かにかわいく感じられてきてしまう。
流されやすい俺だった。しかし好みからはやはり外れるため、俺はさなかの腕から小人ライトさんを受け取ると、そいつに向かって言う。
「……さあ、仲間の元へお帰り」
「うぅ……元気に暮らすんだよぅ……」
たとえるなら、怪我をした野生動物を保護して治療が終わったあとの、感動的な別れのシーンじみた空気になっていた。いやまあ、もちろんわざとやったんだけど。
こういうとこ、さなかはノリがよくて実に話しやすい。友利にも見習ってほしかった。ノリが悪いを通り越して、存在そのものがのりしろみたいな奴なのだから。
今のはちょっと自分でも何言ってるのかよくわからないが。
「なんかこう、シンプルなのがいいんだよな」小人を仲間の元へ帰して俺は言う。「あんまデザインデザインしてないほうがいいっていうか。主張が気持ち大人しめ、みたいな」
「逆にデザインデザインしてるってどういうのを言うのさ……?」
「いやー、難しいラインだよね。完全に普通の電気スタントじゃないんだけど、ギリギリ絶妙な点で普通にも見える程度のレベルっていうか。パッと見あんま凝ってないんだけど、細部にこだわりが見える感じがいいっていうか。そんな感じ」
「あー……なるほど。なんとなくわかる。こだわりびとですなあ、未那さん」
感心したように頷くさなかだったが、感心されるようなことは何も言っていない。
しかし、悪くない気分だった。
いや、はっきり楽しいと言うべきだ。
こうやって雑談を交わしながら回ることが、人と行くショッピングの楽しみというものなのだろう。家族を除けば、俺は変わり者の旧友くらいとしか買い物に出かけた経験などないため、かなり新鮮な気持ちになる。
奴も友利も、そして俺も、いっしょに出かけようが平然と現地で解散して、お互い好き勝手に買い物したあとで再集合とか普通にやるタイプだから。
それもそれで楽しかったけれど。
かといって、こういう風に友達と和気藹々喋りながらする買い物の楽しさも、また否定されることではないのだった。
青春って素晴らしい。
「なんなら俺はぼんぼりとか買いたかったくらいですよ」
「めっちゃ主張激しいよ!? すごいデザインデザインしてるよ!?」
「提灯も可」
「家で!? 家の中で提灯使うの!?」
「ガスライトもいいよね」
「もう完全にアウトドア方面になってるよ! 当初の目的を見失ってるよ、未那!!」
「だから光を求めに来たのさ」
「なんか上手い感じに言われた――!?」
アホみたいな会話をするさなかと俺だった。
というかさなか、なかなかボケ甲斐のあるツッコミをしてくれる。
「うーん。そしたら、これなんていいんじゃない?」
と、そんな折に、並んでいる中から商品のひとつを取ってさなかが言った。
というか俺は、状況と会話にテンションが上がりすぎて、ほとんど棚を見てなかった。
「……へえ」その持った商品を見て、思わず呟く。「ああ……確かに。結構好きかも」
一見したところ、それは取り立てて変わった特徴のないライトだった。電源スイッチのついた土台から首が伸びており、その先が光る――というどこにでもある形式。
変わった特徴はひとつだけ。
――全体が、木材によって作られていることだ。
「あ、えへへ……やっぱり」さなかがはにかんで言う。「こういう系統だと思った。なんか未那の好みがわかってきたかも、わたし」
「この一瞬で掴まれるほど単純だったのか俺は……」
嘆くように言ってみたが否定の余地はなかった。
木目調の表面が美しいデスクライト。まあそりゃ当然、内側は金属なのだろうが、こういう意味のないこだわりが俺は最高に好きだった。
無駄に全力、は俺の主義と合致する。
「うし、これにするわ」
俺は言った。買うとなったら、俺は基本的に迷わないことにしている。
「やたっ、採用だ」
さなかはにひひと笑ってピースサインを作る。
なるほど、と俺は納得の思い。友人とショッピングに行くのはこういう楽しみ方もあるらしい。
これまでの人生で、買い物=ソロのイメージだったことを後悔する勢いだった。
「にしてもあっさり決めるね、未那。ほかの見なくていいの?」
と、そこで笑みを崩したさなかに訊かれる。根本的に気遣いしいというか、気の回る性格だからだろう。採用されたらされたで、不安になってしまう奴らしい。
「ま、こういうのは基本、インスピレーションだから」だから俺は軽く答える。「値段も手頃だし、気に入ったからオッケー。……なんだろう、いわば恋? 一目惚れ的な?」
いや何言ってんのー、みたいなツッコミを期待してのボケだった。
のだが、なぜかさなかは、そう言った俺の顔をまっすぐまじまじと見つめてきた。
「……何さ?」
俺が訊ねると、さなかはわずかに顔を伏せて。
「あ、いや……未那って、一目惚れとか信じるほうなのかなー、って」
「唐突に恋バナ?」
「あはは。ちょっと気になって」さなかは再び顔を上げて。「ほら。だって未那だし」
「いやそれどういう意味?」
「えー。いやだって未那って変わってるじゃん?」
「変わってねえよ」
「変わってるよ」
「どこが」
「……クラスメイトの女の子と同棲してるとこが」
「ああ確かに変わってるわ、そいつ」
降伏した。ダメだ、もうその一点だけで認めざるを得なくなる。
「いや、だからって友利に一目惚れしたとかはないからね? 絶対ない」
もしかすると、さなかにも友利との仲を疑われているのかもしれない。それは、何やらやけに嫌だったため強く否定した。
だがさなかはあっさりと首を振って言う。
「まあ、それはいいんだけど」
「あ、はい……」
「でもそれ、向こうはわかんないじゃん。でしょ?」
まっすぐに、さなかは俺の顔を見据えて言った。
別に責められたわけでもないのに。その曇りのない視線になぜか気圧されて。
「……わかんない、って?」
「だって、友利さん、女の子だよ? 普通そう簡単に、男子と同じ部屋には住めないよ」
何かを答えようとして、けれど答える言葉が出てこなかった。
さなかの言う通りだったから。
自分と似ているから、なんて理由でこれまで考えてこなかった俺だが、今の状況に対する覚悟というものは――それでも俺と友利では、レベルが違うのではないかと思えてくる。
もちろん《実は友利が俺に一目惚れしていたから同居を受け入れた》なんて理屈は絶対あり得ないが、俺のように「まあいいか」なんて気楽さだったかはわからない。
信奉する脇役哲学に殉じるため、あるいは俺に布教するため。それが本当に理由だったのか。
家賃半額はそこまで――ほぼ初対面の男との同居をあっさりと受け入れるほどにまで、果たして魅力的な提案だっただろうか。
わからなくなってしまった。
「……まあ、友利さんも結構変わってるっぽいからね」
答えられないでいると、前言を翻すようにさなかはそう話題を畳んだ。
俺も軽く肩を竦めて、ようやく答えを返す。
「あいつは鉄みたいな奴だからな。こうと決めたことは絶対変えないっつーか」
「仲いいよね、未那と友利さん。本当に」
「よくねーよ普通」
「絶対に普通じゃないと思う……いや本当に。はあ……」
気落ちしたように溜息を零すさなかだった。苦笑いというか、どこか自嘲するみたいな表情だった。
色で言うなら、なんだろう、夜の黒みたいな。さなかにしては珍しい。
ふむ。これは、あれか。俺は気がついた。
おそらくさなかは、もう少し友利と打ち解けたいと思っているのだろう。
実際、気にはなっていたのだ。
俺にはわかる。
勝司や葵は友利と名前で呼び合っているのに、さなかと友利は違う。「湯森さん」で、「友利さん」だ。これは距離がある。
これはもう、俺が間を執り成すべきに違いなかった。
「よし、任せろさなか」
「え、何が?」
きょとんと首を傾げる友人に、俺は笑顔で告げてやる。
「またいつでもウチ来いよ。ほのか屋んときみたいに、なんなら今度はひとりでも」
「え? は――うぇあえぇっ!?」
「たぶん友利も喜ぶから」
「……あ、うん。そうだね。そうだよね……ありがとう……」
驚いてみせたり顔を伏せたり、なかなか忙しいさなかであった。
気遣い屋の彼女のことだから、友利と上手くいっていないことは隠しておきたかったのかもしれないが。そこは俺が上手いこと運んでみせるところだろう。
なぜなら友達なのだからして。
肩を落としたさなかは、その状態で俺を見上げて、こんな風に言った。
「えーと……もうレジ行く?」
「んー、そうだな。向こう時間かかりそうだし、もうちょい別のもの見ても――」
言いながら俺はフロアを見渡す。最大の目的は達したのだから、さなかに見たいものがあれば付き合ってもいいし、何もないようなら適当に巡ってみてもいい。
そんな風に思っていた俺の視線に、けれどあるコーナーがふと留まった。このところ、よく触れるようになったものだから気になったのかもしれない。
……やべえ欲しい。
俺はさなかを振り返って訊ねる。
「もうひとつ、寄りたいとこができたんだけど、いいかな?」
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