第21話

死と私は限りなく近くにあり、それは当たり前に、大なり小なり何度も何処でも繰り返す。

だがまるで、心が二つに割れ、それぞれが相反したように、私はコーロの身体が腐敗し土に埋もれていくまで見続けた。

見続けたところで、絶対に起き上がり頭を掻くことはない。

この世には絶対と意味する言葉があり、それは私の知る限り「死」のみだ。

身体、精神、遺伝子、何もかもが、生を受けた瞬間から当然のようにそれを理解しているはずだ。

それなのに見続けざるを得なかった。

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巨独 村崎 愁 @pirot1

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