敵地への潜入工作はシリーズ二回目(前回は四人で乗り込んでたけどな)
闇の種族も眠る。
彼らとて肉持つ身である。この世の理に従って生きている以上、飯を食い、老い、そして眠りに就く。
だから、昼間の彼らは注意力散漫だった。特に勤勉とは程遠い
今。地下の都へと通じる、切り開かれた山裾。そこを守備する
暗雲立ちこめる下。どんよりとした空気の中、見張りの
そんな彼らだから士気も低い。目下の関心ごとは、草むらで捕まえた小動物をいかに苦しめてから喰うかである。故に、道を歩いてくる者を発見したときも、それが
◇
―――なんでいつもこうなるんだろう。
たった
獣の皮を身に着け、背負い袋を担ぎ、棍棒を片手にしている今の彼の姿は
この魔法は姿を変え、生理的な機能すらもある程度は模倣するがそれだけだった。他者をだまそうとするならば術者の演技力の方が問題となる。だが少年は
彼がひとまず目指しているのは地下都市の神殿。地形は神官戦士や童女から聞いていたし、場所は
姫騎士だった。
彼女の首を取り戻す。そのために、少年は危険を冒してこの地へとやって来たのだ。
もう疫病については彼の出番はない。
現に、今もこうして敵の都市へとたやすく潜入できたではないか。
これ以上他人の事情に振り回されるのは御免だった。さっさと姫騎士の首を取り戻し、そして帰ろう。第二の故郷となった村へと。
決意を新たにした少年は、地下通路を潜り抜け、広大な空間へと入り込んだ。
闇の種族の地下都市へ。
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