大規模会戦ってパラメーター増えるから書くの大変だよね(かきかき)
決戦が生起しうる状況というのは限られる。
それは合意のもとに行われる一大事である。戦力を取りそろえ、目的の場所まで移動し、敵前に並べるだけでもそれは極めて困難な事業だった。更には、勝算がない側は決戦を回避しようとする。
だから、それは互いに拮抗する戦力同士の間でしか起こりえない。
通常は。
奇妙な決戦であった。
三千に迫る闇の軍勢が展開しているのは陽光が燦々と降り注ぐ平原。
対する
それでも、彼らはここで敵を迎え撃たねばならなかった。
木々の枝葉は陽光を遮るし、あるいは夜になれば太陽神の加護自体が失われる。そうなれば、ますます不利となるのは
ここならば、闇の軍勢は不浄の怪物も闇の魔法も投入できぬ。
だから、時間は
両軍が激突するときは、間近。
◇
ことに、大森林の
されど、それは敵も同じだった。
今。整然と並ぶ美麗な
旅人だった。
他の
彼女は、軍勢中央。こちらは白馬に騎乗した兄の傍へと、騎首を巡らせる。
妹の姿を認めた兄は、口を開いた。
「お前のやんちゃもこういう時は心強い」
「そういう言い方はないだろ」
旅人は苦笑。
彼女の兄。すなわち戦士の長が告げたやんちゃとは、旅人が子供の頃にやらかした数々の武勇伝のこと。河に
「それで、あの
「分からねえ。あいつ自身が約束に厳しいのは保証するが、何しろ妖精族ってのはどいつもこいつも時間にだらしがねえから……」
「同じ妖精族から出た言葉とは思えんな」
ふたりは笑い合い、そして敵へと向き直る。
兵が足りぬ。疫病は駆逐されつつあったが、回復した者がすぐ戦えるわけではない。彼らが体力を取り戻すまでは長い時間がかかるだろう。援軍の宛はあったが、いつ来るかは分からない。それまで敵が待ってくれるとも限らぬし、何より日が落ちれば勝ち目はなくなるのだった。
よくないことずくめであるが、悪いニュースはまだあった。
敵集団中央。先頭に見えるのは、漆黒の甲冑を身にまとった首のない女。
全身に魔除けの呪が刻まれたあの鎧ならば、陽光で減衰した魔法などたやすく退けるであろう。彼女自身が著しく陽光で弱体化するのを差し引いても、厄介極まりなかった。
「あれを何とかせねば」
高位の
「そっちもまぁ、宛はある。うまく行くかどうかは分からねえが」
「そうか」
ふたりは会話を打ち切った。敵勢にも動きがみられたから。
こうして、合戦が始まった。
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