本当の無双というものを見せてやろうzzz(それは夢想)
天からの光。故郷から降り注ぐ星光を浴び、背の翼で空高く舞い上がった女神官は―――女神官でもあるものは、周囲を見下ろした。
いけない。随分と長い間眠っていたようだ。
しかし寝ぼけていたとはいえ、自分は一体全体なんで、自らの力を
さて。前方に転がっているのは友人か。世の理に反する存在とはいえ救わねば寝覚めが悪い。いや、自分は寝起きだが。
とりあえず
おっと。少年の傷も癒しておかねば。仮にも私の従者である。私を守ろうとして傷ついたのだから、救うのは主として当然であろう。死んでしまったら面倒だ。生き返らせたりすれば冥府の役人から小言を言われてしまう。ちょちょいと治す。ついでだ。幼児の頃についた古傷に至るまで消してやろう。
さてと。
敵の本隊が残っている。闇の軍勢。我らの敵が。いまだ千近く残る闇の種族と、そしてその中央。小山のような腐肉の塊。瘴気が臭くてかなわぬ。
あちらも
星界へと手を伸ばし、適当な得物を物色する。―――あった。これが手ごろか。
掴んだ石礫の大きさは、大きめの館程度。
星界に浮かぶそれを、狙いを定め、そして投下する。
尾を引いて堕ちてくる石礫は、大気に削り取られ、随分と小さくなりながらも、南の空から斜めに落下。衝撃波で敵勢の前衛を薙ぎ払いながら中央を突き抜け、そして腐肉の塊―――
いともたやすく粉砕される闇の怪物。あ、しまった。腐肉が飛び散ってしまったではないか。臭い。まあよいか。それを差し引いても愉快である。
ふははははは!お前たちの切り札は、
逃げ惑う敵勢を見ながら思う。
さて。次はどうしてくれようか。地道に一匹一匹へ石礫を投げるのも面倒だ。あまり大きいのを投げつけると、あたり一帯が吹き飛んでしまう。違う道具が欲しい。かといって大地を引きはがせば地母神の領域を侵すことになる。面倒は避けたい。
そうだ。いいことを思いついた。天より降り注ぐ光を歪める。星光を集め、
出来上がった星光の束は、
縦横無尽にそれを振るい、焼き払い、切り殺す。
やがて、敵勢の大半が消滅。
うむ。存分に楽しんだ。今日は
そう。
―――わたし?
私は、一体、何を……
そうして、女神官は、意識を喪失。天空より落下していった。
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