529神猫 ミーちゃん、姉として鼻高々です!
グラムさんが戻ってきた。魔王がいるらしい森一つを凍らせてきたそうだ。
炎のブレスより殺傷力は低いとはいえ、モンスターだけでなく多くの野生動物の命も凍らせてきたことだろう。なんて、はた迷惑な。
さて、一度ヴィルヘルム支店に寄ってから帰ろうか。
ヴィルヘルム支店に着いて、イスカを解放。
「情報はここに持ってこい。ここから南に行けば準魔王の領域がある」
「み~」
「承知しました」
「またモンスターを増やしたのか? ネロ」
ちょうど、アレックスさんが現れた。
「このアレックスさんがここの責任者だ。わかったと思うが、ドラゴンだ」
「はひぃ~」
イスカが土下座している。情報をもらうのにはここが一番だろう。
「南にいるモンスターの親玉のことか? ブレスで灰燼と帰さしたほうが早いんじゃないか?」
「みぃ……」
過激なアレックスさん……。
いや、まあそうなんですけどね。根本的な解決にならないというか、結局ドラゴンの力有りきの話になてしまう。ドラゴンの力を借りるのは最終手段だ。
イスカに一時金を渡しておく。何かに役に立つこともあるだろう。お酒なんか買って飲ませれば、意外と簡単に仲間に引き入れられるモンスターもいるかもしれない。
イスカと別れ家に帰るとルーカス さんから貴族の子弟の面接を行うと伝えられる。俺も必要?
「当たり前です! ブロッケン辺境伯家の当主はネロ様です!」
「適当に選んでいいの?」
「み~?」
「現在までに二百以上の応募がきています。正直きりがありません。書類選考で五十人までは絞りましたが、実際に面接して決めてください」
男爵の時は二十人くらいの応募だたらしい。。辺境伯になった途端に十倍以上の応募に膨れ上がった。現金な奴らだ。
取りあえず、ルーカスさんとカティアさん、それにレティさんが五十人まで絞った。レティさんはその情報網で募集してきた貴族の裏取りをしていたらしい。働いていたんだね……ちょっと見直した。
書類選考で残った五十人は派閥関係なく、優秀そうな人を選んだらしい。本人の能力はわからないけど、親の能力と周りの評判を吟味したうえで選んだそうだ。
正直、ニクセにはあまり人はいらない。今の代官であるリンガードさんがそのまま残ってくれると言ってくれている。その下にいる人たちも残る意思を示しているからだ。
なので、ニクセに送るのは武官二人に、代官補佐の文官二人でいいだろう。どうせ、すぐには使えないからリンガードさんに教育してもらおう。足りなければ向こうで好きに雇ってもらったほうが、いい人材が見つかる気がする。
問題はフォルテ。人材が全然足りていない。管理する領地が広がったから武官五人、文官十五人以上は欲しい。
必要数は二十五人以上だな。面接でどのくらい残るだろう? 俺に人を見る目なんて持ってない。できるとことといえば鑑定くらいだ。鑑定でスキルが見えるからある程度は人となりはわかると思う。
生まれ持った才能はあるだろうけど、この世界は努力した結果がスキルとして発現する。スキルが多ければ多いほど優秀な人材ということだ。
あとは第一印象と相性かな?
面接は王宮の会議室を借りて一気に行おう。うちじゃ五十人もの人を集めると大変なことになる。
翌日、みんなを馬車に乗せ王宮に。
「ぺろしゃん! セラしゃん! みなしゃん!」
「レーネちゃん、お久しぶりにゃ! お土産にゃ!」
「にゃ!」
「がう」
「きゅ~」
「「かう」」
「「みゅ~」」
確かにお土産なんだけど、プリンとシュークリームだ。朝一に『パティスリ プランセス レーネ』の調理場に行って強奪してきたらしい。
なにか違和感があると思ったら、レーネ様の背後におこちゃま三人が見える。
「思った以上に、ハンターギルドは大変なことになっているようね」
「王妃様はお耳がお早いですね」
「ブロッケン山との友好はこの国にとって最重要事項よ。当然ね。それで、どうなったのかしら?」
ミーちゃん、話は俺に任せルカたちと猫団子になっている。ペロとモフモフ軍団はお子ちゃまたちの所に行ってしまった。
王妃様がどこまで知っているのかわからないので、あの日の王宮を出るまで時間を巻き戻し説明した。
「魔王の手先にハンターギルドの本部が、乗っ取られていたなんて……」
「ほかの国にも入り込んでいるみたいです。どこに潜入しているかまではわかりませんが」
「よくそこまで情報を得られたわね」
「潜入していた魔王の幹部をこちら側に引き抜きました」
王妃様とニーアさんが大きく目を開き驚きの表情。
「引き抜いた!? どうやって?」
「烈王さんの所に連れて行って説得を」
「……それって、脅迫の間違いじゃない?」
なにを失礼な。イスカが仲間にしてくださいって土下座して頼んきたんだ。強要はしていない!
ルカ、レア、カイがご挨拶に来た。みんなをを抱っこして俺もご挨拶。ノアがいないのは王様の所にいるのだろう。
可愛がられているようだし、癒しを与えるお仕事も頑張っているみたいだね。
ミーちゃんも姉として鼻高々だ。
「み~!」
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