528神猫 ミーちゃん、か、格好いい~!
ミーちゃん、コツを掴んだようで残りのAFにも神力を注入していく。
「そういえば、こんなの見つけたんですけど」
烈王さんに本部の奥の部屋で見つけた、オートソードを見せる。
「ネロ向きの武器だな。神力持ちじゃないと使えない武器だ。こいつは対モンスター用武器、いや魔王にも有効な武器だぞ」
神剣の劣化版らしい。代わりに、持つものの神力によって強さが変わってくるそうだ。
「これを勇者が使えば魔王を倒せると?」
「神力を使いこなせるようになればな」
俺が剣を抜いて青白く光るのを見せる。
「まだまだだな。その程度じゃ魔王を消滅させられない。眷属殿、手本をみせてやれ」
「み~!」
ミーちゃん、フンスと胸を張って任せなさい~! だってさ。本当にできるの?
ミーちゃんの前に剣を置くと、ミーちゃん肉球で柄を押える。青白い光から青、紫、赤、ピンクへと色が変わり今は直視できないほどの白い光を放っている。
なんかヤバくない?
「あー、眷属殿。その辺にしないと、大爆発を起こすぞ。俺やネロは怪我で済むが、このイスカは消滅するぞ?」
「あひぃ!?」
「みぃ……」
また、切りたくても切れないようだ……。しょうがない、無理やりミーちゃんを剣から引き剥がす。
剣に注がれていた神力が俺に流れ込む。
体中が火傷しそうなほどの熱さを感じ、体中の毛穴から汗が噴き出る。このまま俺は爆発するのだろうか……。
「てぃっ!」
「みゃっ!?」
烈王さんのデコピンがミーちゃんのおでこに炸裂!
ミーちゃん、あまりの痛みに転げ回っている。
「眷属殿もまだまだだな。修行が必要だな」
「みぃ……」
「それより、ネロ生きてるかぁ~?」
「な、なんとか」
「今のが純粋な神力だ。なかなか味わえないぞ。少しは覚醒したんじゃないか? 剣を持って……ってぇ~! 剣の格が上がってやがる……」
ミーちゃんが神力を注いでいた剣が少し存在感を増している。なぜか鞘と柄の意匠が猫の行列に変わっていて可愛い。
「神猫剣ニャンダーソード。神速剣、次元断まで付いてやがる。こりゃあ、もう神器だな」
「み、み~!」
格好いい? 神猫剣ニャンダーソードが?
「神器てなんですか?」
「人には造り得ない、神が造りしものだな。この剣なら魔王もばっちし消滅させられる。ついでに、馬鹿者に渡れば、この星も消滅だな」
「そんなに凄いんですか?」
「剣自体は神力を持たない者には使いこなせない。しかしだ、この剣に付与されてる次元断は不味い。神力がなくとも使えてしまう。眷属殿。こいつにちょっと手を加えるがいいか?」
「み~」
烈王さん、剣を持ってなにやらごにょごにょしている。
「よし、できた。この剣はネロ専用になったぞ」
「ちなみにこの剣はどういった剣なんですか?」
「み~?」
「神が持つ剣だ」
神が持つ剣?
自己修復機能があり、使い手の神力を数十倍まで増幅。斬れないものはない。そのうえ、神速剣という剣技の最上級技が使え、そして時空間スキルで覚える回避不能技の次元断まで使える。
なにより、神をも殺せ消滅させる剣。神滅ゴットキラー。烈王さんすら消滅させることができるそうだ。神猫剣、恐るべし。
ちなみに次元断は時空間スキルを持つ俺が、後五十年くらい修行すれば身に付く技らしい。烈王さんが以前言っていた、覚えれば魔王でも瞬殺と言っていた技だ。
神速剣は剣技スキルの最上級技。過去、神人ですら数人しか覚えられなかった技らしい。危険な技ではなく使い勝手のいい技なので、何度も使って体に覚え込ませろと言われた。
「そんな剣を俺が持つんですかぁ?」
「魔王とタイマン張れるぞ?」
「嫌ですよ。そういう役目は勇者にお任せです」
「みぃ……」
なんで、ミーちゃんががっかりするのかな? 魔王の矢面に立たされるなんて嫌だよ!
「しかし、なぜ神人はオートソードを持っていたのに、神剣を使って魔王と戦ったのでしょう?」
「それはあれだ。最初にこの地に降り立った神人とは違い、代を重ねるごとに神力とそれを扱う能力を失ったからだな」
この星から出て行った神人やこの星に残った神人は、勇者の十分の一程度の神力しか持ていなかったらしい。なので、モンスターのエネルギーを神力に変換し溜めた。しかし溜めたところでその神力を扱えないのて爆発させたわけだ。
神人は神力を失っても代わりに不老を手に入れ、高い身体能力とその不老故絶大な力を持っていた。本部の神人の子孫はそのすべてが劣化していた。
今思えば、本当に神人の亡霊だったんだね。
「み~」
神猫書籍発売記念SSキャットタワー(置き場)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894330421
にもSS ポンコツ神様姉の日常を投稿してますにゃ。
サポーター専用ではSS ポンコツ神様妹の日常を投稿しますにゃ。
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