530神猫 ミーちゃん、レーネ様のお友達と会う。
ミーちゃんも王妃様にご挨拶。
「それで、あの子たちはどうしたんです?」
「み~?」
「あの子たちはレーネのお友達なの。お父様がレーネの側近候補にと考えたみたい。レーネ、みんなこちらにいらっしゃい」
ペロたちに抱きついていたレーネ様たちが、こちらに走ってくる。
「右からディアナ、ラーレ、カミルよ。こちらはブロッケン辺境伯のネロくん。私のお友達だから、みんなも仲良くしてね」
「「「はい!」」」
ディアナちゃんはどことなくレーネ様に似た金髪ドリルヘアー。毎日のセットが大変そう。エレナさんのお姉さんの子どもなので、レーネ様のはとこになる。ちょっと釣り目の気の強そうな子に見える。
ラーレちゃんは猫獣人のルン(人に近い)だ。大公様付の侍女さんのお孫さん。なので、おそらく俺はその侍女さんに会っている。あのモフラーの中の一人だな。なかなかの美少女だ。
カミルくんは大公様の息子のエドガーさん付きの執事のお孫さん。将来、イケメンになりそう……。悔しくなんかないんだからな!
みんな、レーネ様とは同い年。なんと、飛竜に乗ってやって来たそうだ。まだ体が小さいからできたのだろう。まあ、馬車で来ようとしたら相当な長旅になるし、護衛を付けたりと大変だからね。
でも、この歳で親から離されるなんてちょっと可哀そう。モフモフで心を癒やしてほしい。
今はペロが持ってきたプリンとシュークリームを食べて心を癒やしている。ヴィルヘルムにはまだないお菓子だ。みんな驚いた表情をしている。
「プリンにシュークリーム……お前は食べ物チート野郎か!?」
ん? ディアナちゃんが食べながら、なにかブツブツ言っている。お口に合わなかったかな?
「そういえば、ハンターギルド本部で面白いものを見つけました」
「面白いもの?」
オートソードを出してニーアさんに渡す。
「勇者に反応する剣で、勇者以外だと神人しか使えない剣って烈王さんが言っていました」
「ネロ様。刃引きされているようですが?」
「剣を抜くと使える人の場合、剣が光るそうです」
「み~」
ニーアさんは光っていない。ニーアさんが王妃様に渡すと、薄ぼんやりと青白く光る。なんとか光っているって感じだ。
「光ったわね」
「王妃様は勇者の子孫ですから光ったのでしょう。ですが、その剣を使うほどの力はなさそうです」
「ハンターギルド本部の人は神人の子孫なのでしょう? この剣を使えないの?」
「おそらく、使えないでしょう。この剣を見つけることもできなかった連中ですから」
「み~」
あの奥の部屋に入る資格がないんだ。この剣を使えるとは思えない。
「見つけた? もしかして黙って持ってきたの!?」
「どうせ今後も見つけられないんですし、この剣があったことさえ知らないです。構いませんよ。それに、これは迷惑料です」
「み~」
AFももらってきたけどね。
「はぁ……。レーネ。触ってみて」
レーネ様がペロと手を繋いだまま、トコトコと王妃様に近づき剣の柄に触れると普通に光った。
「レーネちゃんは勇者にゃ! ペロも勇者ににゃるにゃ!」
「み~?」
ペロも剣の柄に触るけど光らない。
「にゃ、にゃんでにゃ……」
にゃんでと言われてもペロはニャイトで勇者じゃないからねぇ。
「ニャイトペロからブレイブペロにクラスチェンジしたかったにゃ……」
ディアナちゃんは王妃様と同じちょっとだけ光った。ラーレちゃんとカミルくんは残念ながら光らなかった。
この剣を使いこなせるのはレーネ様だけ。なので一本守り刀として差し上げよう。一度返してもらい、意匠の付いた剣を差し出す。
「いいの?」
「ええ、うちのお笑いコンビの分はありますから」
「み~」
「ネロくんとミーちゃんから見れば、勇者もお笑いコンビなのね……」
正直、宗方姉弟はトータルで俺よりまだ弱いと思う。烈王さんから勇者の話を聞く限りでは、最低でもグラムさんと対等に渡り合えないと、勇者と呼べないらしい。
俺が今回手に入れたAFを装備しても、グラムさんとは対等には戦えない。神猫剣を使えば勝てると思う。この星ごと消滅する危険性があるけど。
宗方姉弟にはもっと強くなってもらわなければならない。オーク肉ブートキャンプしかないな。ローザリンデブートキャンプもありだ。グラムさんと戦わせてもいいけど、実力に差がありすぎて駄目かな。
蒸留器に目途がついたら訓練を再開しよう。
さて、今日来た本題のお願いをしよう。
「王宮の会議室を貸してください」
「み~」
「いいけど、何に使うのかしら?」
「うちで募集していた文官と武官の面接と試験です」
「面接はわかるけど試験?」
昨日、ルーカスさんたちと話をして、スキルに出ない才能もあると言われたので、じゃあ試験をしようとなった。
文官は四則計算と面積計算ができないと駄目。ついでにアピール文の作成をしてもらう。
武官も最低限の四則計算は必須。あとは試験官との摸擬戦。問題は誰を試験官にするかだ。うちで一番の剣士はペロなんだけど、試験官に向かなすぎ。
「貴族なのですから最低限の教養を期待してもおかしくないですよね?」
「み~?」
「う、うん。そ、そうね……」
王妃様、目が泳いでらっしゃいますが、大丈夫ですよね?
「み~?」
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