524神猫 ミーちゃん、あなたたちはだれですか~?
勘違いしているようなので、ここははっきりと言ってやる。
「恨んでいる? なにを見当違いなことを こちらはあなたたちのことなど、歯牙にもかけていない。自意識過剰なんじゃないの?」
「み~!」
「ぐっ……ではなぜじゃ!?」
「奴らは殺しを楽しんでいた。人以下の屑。所詮は人工的に作られた超人。AFを己の強さと勘違いしていた屑。ゴミを廃棄して何が悪い?」
「なぜ、それを!?」
火スキルのAFを投げてやる。火スキルは使い道がない。いらないからポイだ。
「観察していればわかる。まがい物だってな。AFに頼りすぎなんだよ。まがい物がうちの警備担当に勝とうなんて百年、いや千年早い」
「み~」
長寿のドラゴンだからね。千年くらいがちょうどいいかな。
「そのAFをどうするつもりじゃ? それは、おぬしが使えばすぐに使えなくなる代物じゃ」
なるほど、なんとなく見えてきた。このAFは数回使ったら使えなくなるのだろう。最初からそういうものなのか、千手業衆が裏切らないための対策かはわからないけど。
ということは、こいつら神気を回復させる術を持っているということだ。まあ、ミーちゃんもそのうちできるようになるみたいなこと、烈王さんが言ってたからどうでもいい。
「神気を回復しないと使えないってか?」
「な、なぜそれを!?」
「知りたいか? お前ら亡霊とは違い、俺こそが本当の神人の後継者だ……と言ったら面白いか?」
「「!?」」
老人二人が驚愕の表情をしているが、冗談だぞ? レティさんのおちょくりを真似しただけだぞ?
「こいつは今回の迷惑料と、ハンターギルド辞めさせられた時の追加の退職金としてもらっておく」
「さっきはああ言ったが、相当に根に持っておるな」
「傷口に塩を塗るとはネロくんらしい」
「み~」
もう二人とも、本当に黙っていてもらえませんかね……。
「だとしてもじゃ。虐殺したことには変わるまい。おぬしそれでも人の子か?」
「そんな屑を育てた選民思想に凝り固まったあなたたちに言われたくはない。己は選民だから、それ以外はどう扱ってもいいのか? まずは自分の胸に手を当ててみろ。 お前らこそ人の皮を被った悪魔だろう!」
「……」
「正論じゃな。己の思いどおりになる人形を作ったのはおぬしらじゃ」
「その人形が人を襲い壊されたから文句を言う。お門違いだ。十二使とはこれほど愚かだったのか」
「み~」
結局、この老女も最初は頭を下げるなどと言っておきながら、自分たちのことは棚に上げ、論点をすり替え俺たちを糾弾しようとする。
無駄な時間だ。もう話す気も失せた。
本部は当分動けない。俺は別にハンターギルドがどうなろうと気にしない。あとはゼストギルド長とセリオンギルド長が考えること。
さっさと帰って魔王の幹部を尋問しないとな。王妃様に渡したところで逃げられるのが落ちだろう。下手をすれば洗脳される。
となると、牙王さんの所か? いや烈王さんの所がベストだな。あの黒大蛇空が飛べるようには見えない。逃げたとしても、あそこは孤島、飛んでるドラゴンにパクリかな。うん、問題ない。
「得るものも得たので帰りますか」
「これでいいのじゃろうか?」
「今回の件をギルド長会議で話せば、本部は求心力を失いましょう。もはや力もない。長居は無用でしょうな」
「み~」
「「……」」
帰るにあたり、魔王の幹部を連行するのに体全体を氷で覆う。蛇は変温動物だから寒くなれば活動を停止するからね。モンスターだからどうかなとは思ったけど、首だけだした黒大蛇はぐったりしているから問題ないと思う。あとは溶けないようにグラムさんが凍らせればいい。
「なんだ、ばあさんたちこっぴどくやられているな」
「「お前たちなぜここに!?」」
「本部が馬鹿な指示を出したって聞いてな、確かめに来た。耄碌した老人に変わり、俺たちが新しい十二使になろうと思ってな」
数えると十五人いるな。十二使じゃなくて十五使じゃね? 十二使の子どもか孫か? なんか、また馬鹿が増えた気がする。はぁ……。
「こいつらが外の連中をやったのか?」
「……」
「まあいい、俺たちはあんな出来損ないとは違うぜ? 覚悟はいいか? じじいども」
「み~?」
俺はアウトオブ眼中か? まあいい。面倒なのでやっちゃおう。こいつらも
「グラムさん。重力解除していいので、こいつらボコボコにしちゃっていいです」
「
「まあ、間違って
「言質は取ったぞ」
グラムさん、こちらに氷漬けの魔王の幹部を投げてよこし、嬉々としてお馬鹿たちの所へ歩いていく。
憐れな子羊たちよ。安らかに眠れ。
「みぃ……」
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