516神猫 ミーちゃん、白の味方が好みです。
「「「「「我ら
「み~!」
ミーちゃん、一緒にあの雰囲気に乗らないでいいですから! もしかして、戦隊ものがお好き?
「み~」
そうなんだ。俺はピンチになると出てくる六人目が好きかなぁ。
「み~!」
ミーちゃんは白派なのね。俺は味方か敵か最初わからない黒派かな。
「ネロくん、油断しとる暇はないぞ」
油断しているわけじゃないけど、なんか黒子がわらわらと出て来きて、何かをセッティングし始める。
「なあ、ネロ。
千手業衆と黒子を鑑定するが、洗脳はされていない。
「そうですね。
「み~」
「まあ、俺はどうでもいいがな。そう言うなら待つとしよう」
「ネロくん! なにをしとる! さっきの相手とはわけが違うんじゃぞ!」
「舐めてかかると、痛い目を見るぞ!」
別に舐めプしているわけじゃない。結局のところ、どんなに強く、どんな裏技を持っていようと所詮は人族。ドラゴンに勝てるとは思えない。
鑑定したところ、千手業衆はたいしたスキルを持っていない。身体強化とか剣技とかしか持っていないのだ。五闘招雷ぐらい強いのだから、てっきりユニークスキル的なものを持っていると思っていた。
なので、純粋に人族として強いのかな? ただ、黒子がせっせとセッティングしているものに興味がある。毎回、こんなことをしているのだろうか? とても気になる。
そして、やっと千手業衆が神殿の上から降りてきた。飛び降りるのかと思っていたのに、普通に階段を降りてきた。あんな、掛け声までしたのに、なんとも締まらないヒーロー戦隊だ。
「ま、待たせたな!」
「みぃ……」
ミーちゃん、がっかり顔。千手業衆、急いで降りて来たので息が切れている。
「息苦しいならその仮面外したらいいのでは?」
「み~」
「我々のアイデンティティを侮辱する気か!」
知らんがな……。
黒子の準備も終わって、俺たちを取り囲む。黒子が用意したのは、複数の篝火に水の入った樽複数、いろいろな武器が立て掛けられた棚だ。
「グラムさんは仮面を着けた連中と遊んでください。残りの黒子はこちらで
「み~」
「「ウォン!」」
「了解だ。さて、待ってやったんだ。さぞかし、楽しませてくれるんだろうな。お面戦隊」
「「「「「誰が、お面戦隊だ!」」」」」
グラムさん、いい感じで煽っている。お手並み拝見だ。お面戦隊……ぷぷっ。
「き、貴様ら~、楽に死ねると思うなよ! やれ!」
「なあ、セリオンよ……儂らいらん子か?」
「わ、わざと我々から目を逸らさせようとしているので……は?」
お面レッドの声で戦闘開始。白狼二頭が飛び出し蹂躙。俺も秘密兵器その二を使用。銀色の指輪を相手に向ければ銀の蛇が相手に噛みつき血を吸い始める。
どんなに暴れても、剣で斬ろうとしても無駄。血を吸いつくすまで離れない。それが、ドラグラブラッド。徐々に血の気が失せ動きが鈍くなり、そして最後に倒れ込む。
「エグイ攻撃だな。少年はSだな。そういう趣味があったとは……困った」
「みぃ……」
そんな趣味ないわ! それになにが困るんだよ! レティさん! いや、言わせねぇよ!
「ネロくんは吸血モンスターか!?」
「おそらくAFでしょうな。それも相当強力なAFですな。一対一ではまず勝ち目はないかと……」
五十人近くいた黒子も半分くらいまで減ってきた。しかし、白狼二頭が何度か毒付の剣や槍でかすり傷を受け、ミーちゃんのミネラルウォーターのお世話になっている。
実力的には白狼のほうが圧倒的だが、数の暴力には抗し難い。どうしても死角からの攻撃を受けてしまう。かすり傷程度だし、即効性の猛毒でもないから問題はないのだけど。
まあ、そうならないように戦えばいいのだけど、なにせ、白狼二頭がミーちゃんにいいとこ見せようと、頑張りすぎて言うことを聞かない……。
「白狼、恐ろしい力じゃのう……」
「全滅させるのも時間の問題かと……」
確かに時間の問題だ。もう、俺もドラグラブラッドを使っていない。既にドラグラブラッドは満腹状態。一度、特殊攻撃を使わないと吸えない。ここで使うのはもったいないから待機中。
グラムさんのほうはといえば、苦戦しているね。重力三倍状態とはいえ、五人如きでグラムさんとやり合えるとは恐れ入る。
それに、千手業衆の奴らなぜか持っていないスキルを使って攻撃している。どういうこと?
「み~?」
「あれが千手業衆の言われじゃ」
「千の技を持ち、変幻自在、千差万別の戦いをすると聞く」
火、水、土のスキルに分身、加速などのスキルを使っているのが見て取れる。それに、持っている武器のスキル以外の武器も巧みに操っている。
確かに身体能力は五闘招雷と比較しても引けを取らない。でも、おかしい。
黒子との戦いは任せて、千手業衆を観察する。そして、気づいた。
なるほど、そういうことか。種がわかれば、どうということはないな。
さて、くだらない戦いを終わらせますか。
「み~?」
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