476神猫 ミーちゃん、ご慈悲を与える。
「ミーチャン!!」
「みっ!?」
ヘリウムガス特有の甲高い声が出たせいで、ミーちゃんが驚いてフリーズしてしまった。そこまで驚くことかな?
次は水スキル、水と言ってもいろいろある。純水、酸素水、水素水、炭酸水。全部、作ろうと思えば今の俺なら作れるものだ。かと言って炭酸水を体中にいき渡らせせたくはないな。
やはり酸素水かな? なんか結果が見えている気がする……。
結果は予想どおり大気スキルの酸素ととほぼ同じだった……。こちらも負の効果は感じられない。
おや? さっき転んで擦りむいた傷が治っている? まさかね……検証するか? しないと駄目だろうな……。
小剣を抜いて指先にチクっと……痛い。ぷく~と血が出てくる。水スキル発動! 傷よ治れ!
「みぃ……」
痛いの痛いの飛んでいけ……とミーちゃんが指先をペロペロと舐めてくれる。ミーちゃんは優しいね。
で、結果は……治ってる!?
ネロは回復手段を手に入れた! 鑑定をで自分を見ると回復スキルが覚えられるリストに増えてる……あれ?
水スキルで傷を回復させたから本職の回復スキルを覚えられるようになったってことか?
ポチっとな。ネロは回復スキルを覚えた! これは覚えるしかないよね。熟練度が上がれば、瀕死状態でも回復することができるようになるらしいからね。覚える価値ありだ!
「み~」
えっ!? ミーちゃんも覚えたの?
見てみると
す、凄いスキルだ……。さすが神猫だけある。神の御慈悲ときたもんだ。
「み~!」
俺とグラムさん、アレックスさんにキラキラとした光の雨が降る。
今の俺には顕著といた効果は現れない。
「ん? 楽になった?」
「なんだ? 体の疲れが和らいだ。今の光の効果か?」
「ミーちゃんの新しいスキルです。治癒力を上げてくれるそうです」
神の慈しみによる治癒力だけあって、怪我や病気のことだけでなく、体力や疲れも回復してくれると見える。凄すぎる……。
ミーちゃん、ドヤ顔だ。間違いなくドヤ顔案件だ。
ミーちゃん、凄いねぇ~となでなでしながら、さっきのスキルの使用について考察する。
大気スキルは問題ない。有用な使い方ができそうだ。そして、問題は水スキルだ。よく考えると水スキル単独で酸素水は造れるのか? 俺は考え違いをしていたのではないだろうか。
酸素水は水スキルと大気スキルの二つがあったからこそ、出来たのではないだろうか? 無意識にスキルを併用していた?
そういえば、スキルは同時使用ができるな。大変だけど。それを無意識でやっていたのか?
水スキルと大気スキルが併用できたのなら、大気スキルと雷スキルが併用できるのではないだろうか?
この属性スキルを自分自身に使うこと自体が有用なことなのに、併用して使えれば更に凄い。試してみよう!
さて、どうやろうか。雷スキルと水スキルは簡単にイメージが湧く水に電気を流すイメージでいいだろう。。雷スキルと大気スキルとではなかなかイメージが湧かない。酸素に電気を流す? わからん。
なので、イメージが湧きやすい酸素水に電気を通す感じでやることにする。でもこれって三属性の併用なんだよね。上手くいくかな?
上手くいったね。三属性使用状態で全力で走る。速く動きすぎて目が回りそうになるけど、息切れがおきない。長時間は無理だろうけど、結構な時間、この状態を維持できそうだ。
ということはだよ。この特殊な使い方じゃなく、普通にスキルを使う時にも併用ができるということじゃないか?
例えば、俺がよくやる水スキルを使って相手に水弾をぶつける技だけど、あれに雷スキルを併用できれば水で濡らすだけでなく痺れさすこともできるのでは?
土スキルで相手を土柱で閉じ込めた時に、雷スキルを併用すれば動きを封じた上に痺れさすこともできる?
空気大砲に電気を流してぶつけることができれば、更なるダメージを与えることが出来るか?
これは面白くなりそうだ。検証をしなければ!
「み~?」
ミーちゃん、興奮している俺を見て、不思議そうに首を傾げる。
「スキル同士を同時に使えることに気づいたんだよ。複合スキルとでも呼べばいいかな。検証が楽しみだよ!」
「み~」
「それはどんなことなんだ?」
アレックスさんは自分のスキルの検証が終わったようだ。グラムさんはまだ唸ったまま動かない。
「今回の検証で二つのスキルを同時に使えることに気づきました」
「スキルを二つ同時?」
「アレックスさんは炎と土スキルを持っているので二つを同時に使えば、おそらく溶岩で相手を拘束できるようになると思います」
「それは、面白いな」
なので、やり方を説明と言っても、二つのスキルを使った形態変化なんだけどね。意識するというよりは。できて当たり前というような無意識での使い方をしないと駄目だと教える。
なので、どこかで地面を最初に炎スキルで溶岩状にして、それを土スキルで動かすことから始めればいいと助言をしておく。慣れれば無意識でできるようになるだろう。
さすがにここでは実験できないので、後日実験結果を聞かせてもらおう。
「み~」
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