475神猫 ミーちゃん、驚く!?
アレックスさんにグラムさんに以前説明したことと同じことを説明する。
「目に見えぬが、一点に力が集まり限界を超えると顕現する力か。大いなる自然の力の一部を扱え、長でさえ持たぬスキル。凄いな」
どうやら、アレックスさんが優秀だったようだ。
「で、どうする?」
「その力を自身で感じてください。ミーちゃん」
「み~」
「グッ……」
ミーちゃん、アレックスさんに飛び移り神雷を発動。グラムさんの時のように、肉球型の神雷を飛ばして当てることはしないようだ。さっき助けてもらったからかな?
「どんな感じです?」
「痛みはないが、体中を異物が蠢く感じだ。なかなかにキツイ……」
ミーちゃんが意図的に電流を抑えているから痛みは少ないと思う。と言ってもドラゴンだからだけどね。それと、電気が体中を流れれば、そりゃあ不快感に襲われるだろう。
そんなことを数分継続したところで、アレックスさんは雷スキルを習得した。やはり、アレックスさんが優秀のようだ。
「なるほど、グラムが浮かれるわけだな」
「み~?」
アレックスさんは両手に雷を纏わせ、手を閉じたり開いたりしている。
っていうか、なんかもう使いこなしてません? 見るからにヤバそうな感じの光がアレックスさんの両手から発せられているんですけど?
俺も同じように両手に雷を発生させてみるが、体全体には纏えても、アレックスさんのように一部分に纏うことができない。俺の雷は手ひらの上に乗っかている感じだ。その代りにグラムさんの雷より、色が濃く強く光っている。
俺は性質変化が上手く、アレックスさんは形態変化が上手いのかもしれない。
「どうです?」
「これを全力で放てば相当な威力になるだろう。このまま殴っても相当なダメージを与えられそうだな。ブレスに乗せて放てば、想像もつかない威力になりそうだ」
サンダーブレスだな。グラムさんは使ってみたのだろうか?
「だが、これは維持するのが相当にキツイな。ブレスを一発放てばもう動けなくなるだろう」
「その辺は熟練度ですね」
「勇者が強いわけがわかった気がする」
「み~」
さて、そこで宗方姉弟が考えた応用技を試してみましょうか。ここからはグラムさんも参加だ。
「み~」
雷を体全体に纏ってみる。うん? 何も変わらないな。じゃあ、今度は雷を体中に行き渡らせるって感じでやってみよう。
おっ!? これはミーちゃんから神雷スキルをもらった時の感じだ。どうやら、俺は自然とやっていたんだな。
「雷を纏うのではなく、体中に行き渡らせてください」
俺はなんともないが、グラムさんとアレックスさんはツラそうだ。熟練度の差だろうか? ミーちゃんの神雷スキルを使っていたため、下位の雷スキルの熟練度が自然と上がったのかな?
少し動いてみる。
おっ、おぉー! 体が軽く自分で考えた動きより速い。
あっ!? コケた……痛い。自分の体が自分の体じゃない感じだ。紫電の時は動いた瞬間、目的地にいる感じに対して、今はVTRを早送りしている感じだ。中途半端な速さなので慣れが必要のようだ。
少し慣れるまで動き回っていて気付いた。体に流す雷の強さで動きの速さが変わってくる。更に慣れが必要のようだ。でも、最大でやってみても、紫電にはまったく及ばない。さすが、最上級スキル神雷ということだね。
しかし、宗方姉弟は素晴らしいことを思いついたな。今度。おこづかいをあげよう。
「み~」
グラムさんとアレックスさんも頑張っているようだが、グラムさんは力尽き地面に倒れこんでしまった。
「これは難しい。瞬間的に体に行き渡らせないと、能力を発揮する前にどんどん体力が削られていく」
「慣れですね。最初は力を入れないで最小限の力で慣れるのがいいと思います。力の強さで動きの速さが変わるようですので、少しずつ力を強くしていけばいいと思います」
やり方がわかれば、後は自分で訓練できる。なので、次の検証に移ろう。
「このように属性スキルを自分自身に使うと、なにかしらの効果があるようです。ただ、熟練度が低いと負の効果も付きます」
「では、得意なスキルでは負の効果が現れない?」
「俺の場合、雷スキルの熟練度が高いようなので、お二人とは違い疲れにくいようです」
でも、さすがに神雷スキルを使っての紫電は数回やるとへばってしまう。
「俺は氷スキルだ!」
「俺は炎と土だな」
「炎スキルは力が強くなるようです。ほかはまだ試していないのでわかりません」
「ならやってみればいい」
「み~」
じゃあ、俺は大気スキルと水スキルだな。
「み~!」
大気スキルを使ってやってみようと思うけど、大気、アバウトだ。風と考えるか気体と考えるべきか? 酸素濃度測定というのがあるから、やっぱり酸素だろうな。やってみよう。
体全体に酸素を行き渡らせる感じ。ん? なんか頭と目がスッキリした? ほかは変わらない? よし、酸素を必要とする状況を作ってみよう。
中庭をダッシュで走り回る。俺の体力だと身体強化スキルを使わないと、百メートルを全力で走れば間違いなく息切れする。するはずなのに全力で走っているのに息が軽い。これは凄い! 体力がないから疲れてはいるけど……。それ以外の負の効果は感じられない。
これは想定外の効果が現れたな。いい意味で。
じゃあ、窒素はどうだろう? 体の中でたんぱく質を作るのに欠かせない気体だ。やってみたが効果がわからなかった……。悔しいので声道内にヘリウムガスを少し入れてやる!
「ミーチャン!!」
「みっ!?」
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