413神猫 ミーちゃん、鬼じゃありません。
見えないものを教えるのは難しい。大人になればなるほど、固定概念尉囚われてしまう。逆におこちゃまはある意味、暗示をかけるように教え込むと、それが普通と感じてすぐに覚える。スキルに関しても同じだ。大気スキルも水スキルの時もそうだった。
実際に孤児院のおこちゃまたちで検証して実証済みだ。孤児院のおこちゃまの中にはフローズンや氷を作れる子も、ちらほら出てきている。将来の神猫商会の社員候補だな。
さて、グラムさんを見ると理解しているのかしていないのか、真面目な顔はしている。
「金属の棒を布で擦ると静電気が起きます。この静電気を仮にマイナスと名付けます。マイナスは溜まっていきますが、どこかに移動したいと思ています。そこに導体、仮にプラスと名付けます。マイナスはプラスのことが大好きです。マイナスはプラスの元に行きたいという欲求が限界に達した時に飛んで行くんです!」
少々、無理やりな説明。そして構えて悪の枢機卿が使う技を見せる。巨木の幹に当たり、プスプスと煙が上がり始め次の瞬間、幹が爆発。巨木がこちらに向かって倒れてくる。やば……。
「み~」
巨木が消えた。ミーちゃんが咄嗟にミーちゃんバッグに収納してくれたようだ。ナイス、ミーちゃん!
「み~!」
俺も時空間スキルでやろうと思えばできると思うけど、咄嗟に考え行動できなかった。油断大敵だ。
「ネロさんには~あの技がよく似合うぅ」
「まさしく魔王……」
「みぃ……」
だれが、魔王だ! 失礼極まりないぞ! 魔王じゃなくて、悪の枢機卿だからな! ん?
「ネロ。星を落とすAF使ってみねぇ? ぜってぇに似合うぞ、お前」
「み~」
やりませから! 興味はあるけど、神罰降りそうですから! ミーちゃんもやっちゃ駄目だからね! 神界から出禁くらっても知らないよ!
「みっ!? みぃ……」
ミーちゃんは神猫だから神罰は下らないだろうけど、神界への出禁くらったら、帰ることもできなくなるからね。好奇心は猫を殺すと言いますので。
「生きてるものなら大抵、体の中に雷の素である電気を宿しています。自然界ではその電気で身を守る生き物もいるくらいです。雷の素となる電気は至る所にあるんです。それを集め使えばいいんです」
グラムさんが体の力を抜き、眼を瞑り立ちながら瞑想。だんだん、グラウさんの髪の毛が逆立っていく。更に、体の周りから紫電がいくつも伸びる。
こ。これって、ヤバくね? ドラゴン、舐めてたかも……。逃げるべきか?
ガッコ!
「あだっ!?」
烈王さんのチョップがグラムさんの頭にクリーンヒット!
「馬鹿者。やるなら向こうでやってこい」
「クックックッ。湧き上がる力を感じた! なんとなくだがコツもわかった! これで、姉に勝つる!」
などと叫んでどこかに走って行ってしまった……。
「み~」
頑張れ~とミーちゃんは仰いますが、付け焼き刃で勝てるのだろうか?
「なかなか、いいスキルだな。だが、勝てんな。根本的なことをあいつは理解していない」
やれやれだぜってミーちゃんの
「みぃ……」
それにしても、ドラゴンのポテンシャル半端ねぇ。あのまま続けていたらどうなっていたんだろう。
「グラムさん、すごかったですね」
「イケメンドラゴンもすごいけど、ネロさんもレールガンとかできるような? どう?」
「できねぇよ!」
人間の頭であの磁界を制御なんてできるわけがない。頭にコンピューターでも埋め込まないと無理! 漫画やラノベの見すぎだよ!
「しかし、勇者の力の一端は垣間見れた。その力と神力を使いこなせれば魔王を倒すのも頷ける。まあ、俺には効かねぇがな」
さすが、絶対強者。ミーちゃん、やっておしまいなさい!
「み~!」
「いでっ!? ちょ、ちょっとなにすんの!」
痛いとは言っているけどたいしたことはないのは、グラムさんで実証済み。精神攻撃にはなるようだからね。烈王さんにも効くようだ。
「もしかして、これが神力か?」
「これをこの二人に味あわせ、体に直に経験させようかと」
「なるほど、いいんじゃね? 何事も経験だからな」
今、ミーちゃんは俺の肩に乗っている。宗方姉弟から見れば俺がやっているように見えるだろう。二人が俺から後ずさる……。
逃がすと思うか? プラス地点を宗方姉弟に定めマイナスであるミーちゃんの神雷を放つ。マイナスはプラスのことが大好きだから、どこまでも追っていく。
「「あばばばぁぁ……」」
大丈夫。ミーちゃんの神雷の電圧を下げている。ちょっとピリピリする程度。二人は大袈裟にしてるだけだ。ここは心を鬼にして続けよう。
「オーガだな。オーガがここにいやがる……」
烈王さん、失礼ですよ。
ミーちゃんはオーガじゃなくて神猫です!
「みっ!?」
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