373神猫 ミーちゃん、仲人になる!?
「み~」
みんな~遊びに来たよ~。とミーちゃんが一鳴きすれば、ルカ、ノア、レア、カイが走って寄ってくる。
ルーくんとラルくんはお友達認定しているレーネ様に飛びついて、猛烈にペロペロ挨拶。レティさんもレーネ様に挨拶している。これならペロが居なくても寂しくないね。
「ごきげんよう。ネロくん」
王妃様美しいお顔でニコニコと笑ってらっしゃるけど、目が笑っていないんですが? これは、君主危うきに近寄らずという場面ではないでしょうか?
「ははは……宮廷料理長に用があるので、俺はこれで……」
なぜか、侍女さんたちに周りを囲まれ逃げ場を塞がれた。な、なんですか?
「あら、ネロくんは、私とお茶など飲めないと仰るの?」
ぐっ……嫌な予感がひしひしとするんですけど……ど、どうする? 転移プレートを使って逃げるか? それとも、時空間スキルで自分の空間に逃げ込もうか?
どちらも問題ありありなので諦め、がっくしと肩を落とした俺は、ニーアさんが引いた椅子に座るしかないようだよ。
「ねぇ、ネロくん。ルーくんのお嫁さんってどうするの?」
「はいっ!?」
なにを言っているか理解出来ず、素っ頓狂な声が出てしまった。
そんな王妃様の言葉にルーくんが自分が呼ばれたと勘違いして、王妃様の下に行き王妃様を見上げてハフハフしている。
「ルーくんのお嫁さんって……。ルーくん、まだこんなお子ちゃまですよ?」
「そんなことないわ。ルーくんだって数年もすれば立派な白狼族の一員になるわ。そうしたらお嫁さんが必要でしょう?」
いや、まあ、そうなんですけど、それがどう繋がるのですか?
「白狼族のところから将来のルーくんのお嫁さん候補を連れて来て、ルミエールの王族の一員として育てるの。そして、将来ルーくんに降嫁させるのよ。ブロッケン山の
「……本音は?」
「ルカたちのもふもふも良いけど、ルーくんの大きなもふもふも抱っこしていたいの! これはここに居る全員の総意よ!」
ニーアさんを含め、俺を囲んでいる侍女さんたち全員がうんうんと頷いているのですが……。
「基本ルカはレーネと一緒でしょう。ノアはユリウス様が連れていくことが多いでしょう。今はカイちゃんが居るから良いけど、カイちゃんが帰ったらノアだけになるでしょう? 足りないのよ。もふもふが!」
いやいや、なに言ってるんでしょうか、この王妃様。
「さすがに、ラルくんのほうは……無理でしょう?」
やっぱり、王妃様は薄々ラルくんのことを感づいているようだ。というより、ラルくんを犬と言うほうが無理あるよね……。
「ブロッケン山の
「少年! 私も欲しい!」
あぁ……また厄介な人が首を突っ込んできたよ。
「レティさんは子猫が良いって言ってたでしょう。それに白狼族は物じゃないので、ホイホイとあげれません!」
「私もルーくんのお嫁さんを育てたい! ルーくんも私が育てたお嫁さんのほうが良いよな?」
「あら、
「がう?」
おいおい、まだ育ててもいないのに、ルーくんの嫁取りの話は早いんじゃねぇ?
「歴史あるルミエール王家の娘となれば、品格も良く育つうえ、ブロッケンの
「いやいや、歴史あると言うのであれば、ルミエール王国が建国する前からこの世界の平和を担ってきた義賊ギルドのほうが格が上なのでは? それに、ルミエール王国は魔王を倒して起つた国。ルーくんの父上は魔王級の方なので、
「ハァ……これだから義賊ギルドの者は頭が固く古臭いと言われるのです!」
「その頭が固く古臭い義賊ギルドが居なければ、滅んでいたかもしれないルミエール王国がなにを言っているのですか!」
はぁ……レティさんも王妃様も珍しくエキサイトしている。さて、本来であれば触らぬ神に祟りなしなのだけど、どうしようか?
と悩んでいたら、おぉっと、ここで真のブロッケンの
ミーちゃん、ルカ、レア、ノア、カイを引き連れ、お尻をふりふり歩いて来る姿は、まさに
「み~?」
なにがおきてるの~? って首を傾げるミーちゃん。それにつられて、ルカたちもみんな一緒に首を傾げる。な、なんて爆可愛い光景。カメラがあったら連写してるね。間違いない。
周りに居た女さんたちも、ミーちゃんたちの姿を見て頬を上気させ身悶えしている。
斯々然々 《かくかくしかじか》、ミーちゃんに事情を説明する。
「み~♪」
で、でましたよ。ミーちゃん、お得意のまかせなさ~い♪ が。そんな安請け合いしちゃって良いの?
この場の雰囲気を考えると、
「無理でした。テヘペロ♪」
ってわけにはいかないよ?
「み~」
はぁ……ミーちゃん、本気ですか?
「み~!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます