247神猫 ミーちゃん、作戦開始です。
ヘルダギルド長は極秘裏にハンターを集めてくれる事を約束してくれた。前回の分の報酬額が提示されたので、ヘルダギルド長ニヤニヤしてるね。提示された金額は予想していた額より多少多めだったけど、今後のハンターギルドとの関係を考えれば安いものだよ。そしらぬ顔で即金で支払うと、ヘルダギルド長の顔が驚きの顔に変る。
更に、追加でちょっとした嫌がらせをしよう。
「明日、顔合わせの為、代官を連れて来るのでその時にローザリンデさんも一緒に連れて来ましょう。師匠との積もる話もあるでしょうから」
ヘルダギルド長、凄く嫌な顔をしてるよ。ざまぁー。
「み~」
翌日、約束通りグレンハルトさんとローザリンデさんを連れ、ハンターギルドを訪ねる。
ヘルダギルド長はグレンハルトさんとも顔見知りだったようで、グレンハルトさんとは終始穏やかな話になったけど、ローザリンデさんが話に入ってくると一変苦虫を噛み潰したような顔になる。
「ヘルダちゃん、つれないな~」
「……帰れ」
「えー、それが久しぶりに会う師匠に言う言葉~」
「煩いさね……妖怪ババァ」
「ヘルダちゃん♪ ちょっとお外に行って秘密の特訓しようか……ちょっと太ったんじゃない?」
「ヒィー!」
なんなんだろう、この2人。結構仲良さそうじゃん。そんな2人を放っておいて、グレンハルトさんと商業ギルドに行きギルド長と顔合わせを済ませておく。ついでに、役所の内装のリフォームをお願いしておいた。リフォームの間は敷地内に仮設小屋を作ってもらい、そこで業務をおこなう事になる。住民の皆様にはご迷惑をお掛けします、ペコリ。
「み~」
屋敷に戻って、ローザリンデさんが戻って来るのを待ってレティさんが作った地図を元に作戦会議。悪い知らせが一つ、 ほとんどの闇ギルドの拠点は街の中にあるけど、盗賊ギルドの本拠地だけは街から少し離れた森の中にあったそうだ。敵兵力も三十人程と見込んでいたのが百人以上に増えているらしい。どうやらゴブリンキングの戦いに傭兵として参加するようだ。
王都を追われた盗賊ギルドがこのフォルテで再編成して資金集めの為に、傭兵としてゴブリンキング戦に参加するのだろう。これは困ったね。ここで盗賊ギルドを潰すと、ゴブリンキング戦の貴重な捨て駒戦力が減ってしまう。
作戦を少し変更して、暗殺ギルドと闇金融ギルドを最初に襲撃、制圧後にマフィア二つを潰しに行く。その後に各ギルド所属している店や場所を一斉検挙。最後に街の中の盗賊ギルドの拠点のみ襲撃。街の外の拠点は少しの間、見逃してやる。後日、ゴブリンキング戦に出て行った後に残りを潰しに行きましょう。さてさて、なかなかハードな夜になりそうだ。
「罪人はどうするのだね?」
「代官である、グレンハルトさんにお任せします」
「王都に連れて行かなくても良いの~?」
「この街の事なので国には一切関係ありません。連れて行くの面倒なので」
「多くの者が死罪になるが?」
「致し方ない事です。その覚悟があってやってきたのでしょうから」
「君は恨まれるぞ」
「それこそ、覚悟の上ですよ」
そりゃあ、闇ギルドの恨みを買うでしょうね。でもね、それは仕方がない事。彼らは相容れない存在であり、ここの領主になった以上そう言う不穏分子は排除していかなければならないと思っている。自分の為にも、領民の為にも必要な事だと思うよ。人は弱いからね、そこに簡単に手の届く欲望があれば手を伸ばしたくなる。俺だって苦しい状況になったら手を出しかねないと思う。
「安心しろ、少年。私が傍にいる限りその手の者は近寄らせる事はない。モフモフ達に危害をくわえさせる事などあってはならない!」
「ありがとうございます……と言えば良いのでしょうか?」
「当然だな、少年」
どう考えても、モフモフ達のついでに守ってやるとしか聞こえないんですが……まあ、レティさんはやる時はやる人だから信頼できる。できるよね……?
決行当日の夜、ハンターギルドの裏の訓練場に続々とハンターさん達が集まってくる。街の門が閉まるのは九の鐘がなってからになる。全く街の出入りができなくなると言う事ではなく、大きな門の横には人が出入りが可能な扉もあるので、九の鐘が鳴った後でも出入りできる。しかし、今日は領主権限で明日の朝までは街に入る事はできても出る事はできないように警備隊に指示しておいた。
「お前達、準備は済んだかい!」
「「「おぉー!」」」
「静かにおし!」
「「「へい……」」」
「今回もブロッケン男爵様からの依頼さね。今回の相手は闇ギルドの奴らだよ。わかってると思うが襲撃した時、奴らの持ち物に手を出すんじゃないよ! 一旦、全てブロッケン男爵様にお渡しするんだからね。私に恥をかかせるんじゃないよ! ブロッケン男爵様はその辺のケチなお貴族様じゃないからね。依頼料はたんまりくださるさ。さあ、みんな。きっちり稼ぎな!」
「「「おぉー!」」」
「静かにおしっていってるさね!」
「「「へい……」」」
こ、この人達で、大丈夫なのだろうか……不安になってきた。
「みぃ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます