248神猫 ミーちゃん、勝利の雄叫びをあげる。

 ハンターさんをグレンハルトさん組とローザリンデさん組に分ける。グレンハルトさんの方は暗殺ギルドに、ローザリンデさんの方は闇金融ギルドの方に行く事になった。


 俺は闇金融ギルドの方について行く。義賊ギルドは現地での人の出入りの封鎖と襲撃中に逃げ出す者が居ないかの見張りを頼んでいる。


 闇金融ギルドの拠点に着くと義賊ギルドの者が近寄って来て報告をしてくれた。ほとんどの者はここに居るそうだけど、数名この場所にいないとの事。今現在、義賊ギルドの者がここに居ない者に張り付いているらしいので、ここを襲撃した後そいつらも捕まえに行く事になる。幹部連中の住んでる場所も把握しているので、一緒に押さえておく事にする。


 レティさんから報告のあった街の外に出る事ができる抜け道も、ここに来る前に土スキルを使って完全に塞いできた。同じ土スキル持ちならいざ知らず、人力で短時間で掘ることはまず無理だと思うくらいがっちし固めてきた。


 準備が整ったので建物の出入り口を数人のハンターさんが、他の抜け道を義賊ギルドの者が押さえた状態で残りのハンターさん達が突入する。闇金融ギルドの者は人数が多かったけど、たいした抵抗を見せずに捕まったようだ。


 ミーちゃんと屋敷の中を歩き回り全て収納していく。マップスキルに映る怪しい場所も見て金庫ごと収納していった。まだ、次があるので開けてる暇は無い。それでも隠し金庫が四つに隠し部屋が二つ見つかり、中身は確認してないけど闇金融だけに期待ができるんじゃない?



「み~」



 捕らえた者は警備隊に引き渡し、幹部連中の屋敷に向かう者とここに居なかった者を捕らえに行く組に更に分けた。俺はグレンハルトさんの向かった暗殺ギルドの拠点に向う。


 暗殺ギルドの方は最後まで抵抗したそうで全員死亡との事。ハンターさんに怪我人と毒にやられた人が居たけど即効性のある毒ではなかったので、毒にやられたハンターさんにミーちゃんのミネラルウォーターを飲ませておいた。


 暗殺ギルドの拠点は拠点自体が隠し部屋のようになっており、収納はすぐに終わったね。すぐに終わったので闇金融ギルドの幹部の屋敷にも行き、全て収納してからハンターギルドに戻った。


 一旦、ハンターギルドで休憩をはさみ、今日のメインイベントに移る。今度の相手は人数も多いうえに、武闘集団でもある。戦闘は必須になると思われ、一筋縄ではいかないだろうと予想している。雑魚の下っ端は正直放っておいても構わない。だけど幹部連中だけは捕らえるか或いは死亡を確認しなければならない。こいつらは大元を叩いてしまえば、下っ端などは烏合の衆。どうにでもなるはず。


 ハンターさん達は先程の動きやすい服装から完全装備に変わっている。やる気満々のようだね。マフィアはお互いに抗争中と言う事もあり。どちらも拠点にほぼすべての者が集まっていると言う。抜け道は義賊ギルドに任せて、正面から堂々と襲撃を掛ける事になっている。


 俺も装備を整え準備万端。ミーちゃんもフンスと鼻息を荒くして俺の肩に乗っている。ミーちゃんは無理に戦わなくて良いんだからね?



「み~!」



 何故か、ミーちゃんもやる気満々ようだね……。



「お前ら、なにもんだ!」



 門の前に居た見張りの男二人をハンターさんが容赦なくぶっ飛ばした。うわぁー、痛そう……。



「て、敵襲!」



 屋敷の窓の近くに居た男がこちらの騒ぎに気付いて声をあげる。元々、屋敷の中で戦う気はなかったので丁度良いと言えば丁度良い。ハンターさん達が屋敷の広い庭になだれ込むと同時くらいにマフィアの連中も武器を片手に屋敷から飛び出して来た。



「てめぇら何もんだ!」


「誰でも良いじゃない。さぁやっちゃって~」



 ローザリンデさんの気の抜けるような掛け声で戦闘が開始される。流石に暴力で街の住民をねじ伏せてきただけの事はあるようで、人によってはハンターさんを凌駕するパワーの持ち主がいる。後方からローザリンデさんが弓で援護しているけど、なかなかどうして侮れない奴らが多い。


 マフィアの下っ端などは戦闘と言うより無謀な特攻と言った方が良いような戦いの為、ハンターさん達に怪我人が続出する。ハンターさん達は日頃戦っているモンスターには百戦錬磨でも、マフィアの奴らと違い対人戦は場数が少ない。なので、無意識のうちに手加減してるっぽい。こんなところで、ハンターさんの弱点が露見するとは……。


 俺も援護に回ろう。銃でマフィアの連中の脚を撃ち抜いていく。弾倉を交換する時はどうしても、防御がおろそかになる。いつもはペロがいるけど、今日は居ない。注意はしていたつもりだけど、動きが止まった所をやはりマフィアの手下に狙われてしまった。不味いと思い弾倉交換を諦めて逃げようとした時、俺を狙っていたマフィアの手下が数歩手前で崩れ落ちた……。



「み~!」



 ミーちゃん、俺の肩の上で片手を俺の頭に載せ器用に立ち、反対の手で猫パンチ……もとい神雷を放って俺を守ってくれたようだ。ミーちゃん、っちゃったの?



「み~?」



 ミーちゃん、フンスと鼻息を荒げて周りに神雷猫パンチ型を撒き散らす。バッタバッタとマフィアの連中が倒れていくね……終わってみれば、ミーちゃんの圧勝でした。



「み~!」



 良く見えないけど、俺の肩の上でドヤ顔して勝利の雄叫びを上げてるようです……ミーちゃんってそんなキャラだったっけ?



「み~! み~!」





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