239神猫 ミーちゃん、迷探偵です。
次の部屋に行ってみる。書庫のようだ。内容の確認は後でするとして回収する。次の部屋には武器防具が所狭しと置かれていた。これも全て回収。武器防具に埋もれて一つだけ鍵の掛かった大きな箱が出てきた。箱自体がAFで堅守の箱となっているけど、物は試しで解錠のネックレスを使ってみると開いたね……中には布に包まれた剣が二振りあり、その一振りは神剣、もう一振りは護国の剣 AFとある。なんか凄そうなのが出て来たね。
神剣はAFではないようだけど神の力が宿りし剣と出ている。AFより上なの、それとも下? こう言うのは烈王さんが詳しそうだから今度行った時聞いてみよう。護国の剣は剣に所有者と認められた場合、生涯に一度だけ大いなる災いから守ってくれるらしい。
最後の部屋に行き鍵を開けて入ると、書斎のような部屋になっている。ここが本命かな? 机に本棚、探してみたけどたいした物は無い。椅子の後ろの棚の後ろに小さな空間があるのがマップスキルに映っている。棚を調べてもわからない。床を調べるとレールのような溝がある。棚を引っ張るけど動かない、なら押してみる。やっぱり動かない……。
ミーちゃん、急に棚の横にあった絵画にダイブ。ミーちゃんキャンバスに爪を立ててぶら下がってます。あぁー、絵がミーちゃんの爪でボロボロに……って思ったら絵が額縁ごと傾き、棚がスライドしていく。ミーちゃん、あなたは名探偵ですか? どちらかと言うと迷探偵?
「み~」
ミーちゃん俺の所に戻って来てドヤ顔。御見それしました。ご褒美に今日の餡子デザートを少し多めにしてあげましょう。
「み~!」
棚の後ろにはもちろん金庫、解錠のネックレスの出番です。中身は闇ギルドからの命令書や闇ギルドに渡した金品の明細書など、証拠には充分過ぎる資料が出てきた。内容からは歴代の代官も闇ギルドとの関わりが読み取れる資料まである。また、一波乱ありそうな予感。この資料を王様が見たらお家取り潰しじゃないのかな?
それにしても、アサシンギルド、盗賊ギルド、マフィア、闇金融そうそうたるメンバーだ。貴族の闇って相当に根が深いね。まともな貴族ってほんの一握りなのかもしれない。
探し物が見つかったので今日はこれで終わりにする。役所の事はテオさんに一旦任せる事にする。代官を早急に送らないと不味い状況だ、帰ってみんなに相談しよう。
うちに戻り、ブロッケン男爵第一回これからどうしよう緊急会議を開催。
「そこまで酷かったのですか……」
「にゃんたる事にゃ! 姫は小汚くないにゃ! ペロの虎徹は血に飢えてるにゃ!」
「みゃ」
「で、どうすんだ?」
「どうしましょう? 誰かを代官として早急に送らないと不味いです」
「だがよう、その代官命狙われるぜ」
そうなんだよねー。ジンさんの言う通り。赴任するまでの間にレティさんに頼んで、フォルテの闇ギルドの情報を集めてもらう予定だけど壊滅までには時間が掛かる。すぐには無理。
「私が行こう」
「グレンちゃん、本気~?」
「私なら闇ギルドの手の者に遅れを取る事はない」
「そうして頂けると助かります。グレンハルトさんなら向こうの連中も納得するでしょう。うちの狼を一匹連れて行ってください。気配察知に優れていますし戦力としても申し分ないですから、グレンハルトさんの傍に置いておけば役に立つと思います」
「それは良いな、旅の友にもなる」
「しょうがないな~。ワンちゃんも一緒だし手伝ってあげるわ~」
「助かる」
ローザリンデさんも一緒に行ってくれるみたいだ。ジークさんも行きたそうな顔をしているけど、ジークさんはゴブリンキングとの戦いに向かう事をグレンハルトさんに明言してたからね……仕方がない。
「俺達はどうする?」
「どうするにゃ?」
「ルーさんとジンさん、ペロ、セラ、宗方姉弟は予定通りクイントに向かってください。迷宮探索しながら宗方姉弟のレベルアップは必須ですから」
「わかった、先に行って準備しておくぜ」
「任せるにゃ。てんぃ……フガフガ」
「はい、ペロくん。余計な事は言わなくて良いからねぇ~」
「迷宮探索楽しみだね。カオリン博士」
「そうだね、トシ君。未知との遭遇、それは新たなる発見。心躍るね!」
カオリン博士……定着したのかな?
「僕も行きたかったです……」
ヤン君は迷宮探索に行かないでお留守番。イルゼさんの許可がおりませんでした。残念。
俺は明日の朝、王宮に行って報告した後レティさんを連れてフォルテに一旦戻る事になる。ペロ達は三日後にジークさんと一緒にクイントに向かう事になる。グレンハルトさん達には悪いけど明日の朝一で発ってもらう。どちらも馬での移動なので早く目的地に着く事だろう。
レティさんには今日集めた資料を渡しておき、良い情報がないか調べておいてもらう事にする。
「少年は人使いが荒いな」
えぇーい、たまには働け!
「レティさんが上手くやれば、闇ギルド壊滅時に出たお金でスラムの子達の為に孤児院を作る予定ですが?」
「任せろ、少年!」
レティさん実は小さいものやモフモフ好き、案外チョロイン? でも、この件がなくても孤児院の事は考えていた。神猫商会だけでは難しくても、貴族の地位や権力、お金を使えば多くの人を助けられるのではないかと考え、その始めとしてスラムのお子ちゃま達やいろんな孤児の為の孤児院を作ろうかと思った。ミーちゃんも大賛成してくれたからね。
「み~」
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