217神猫 ミーちゃん、徹夜は嫌です。
俺とミーちゃんとカイはスミレの上、ペロとセラはユーリさんの馬車に便乗、ルーくんとラルくんは走って追いかけて来ている。
昨日の夜のうちに、ルーさんに今日はペロとセラは王宮に行くので狩りに行けない事は言ってある。
ハンターギルドでパミルさんが用意してくれた馬車にみんなが乗り換え、王宮に向かって再度出発。テラは俺と一緒にスミレに乗ってますよ。ごめんなさい……ミーちゃんと一緒です。
スミレ姐さんは門番の兵士さんを無視して我が物顔で王宮の門をくぐります。そう言えば、アポなしなんだけど大丈夫だよね……。
いつも通り、少し待つとニーアさんと馬丁さんがやってくる。ニーアさんにアポなしの事を謝ると
「ネロ様とミー様が来たらいつでもお通しするように言われておりますので、お気になさらず」
と言われた……VIP待遇ですね。
「み~」
ミーちゃんは大物です……。
「ペロしゃん! みんなしゃん!」
レーネ様が走って来てペロに抱きつく。何故、ペロなんだろう? 確かにペロは可愛んだけどね……謎です。
「良く来てくれましたわ。最近鬱陶しい方ばかり来て、嫌気がさしていたところなのよ」
足元でみゃーみゃー六匹が猫団子になってます。
俺が最初に挨拶してからユーリさんとパミルさんが王妃様に挨拶して席につく。お土産に持ってきた焼きプリンをニーアさんに渡してから、王妃様に聞いてみた。
「鬱陶しいって何かあったのですか?」
「東の辺境伯領が空いたでしょう? 我が夫にって煩くてね」
成程、空いた辺境伯のポストにあわよくば就きたい貴族の奥方が王妃様のご機嫌伺いに来てるって事ですね。
「ねえ、ネロ君。いらない?」
「いりません」
「もう、つれないわねぇ」
王妃様達は焼きプリンをミーちゃん達はミーちゃんクッキーを食べながらお茶をする。ユーリさんもパミルさんも今日はちょっと固いけど普通に話ができている。
話が一息ついたところで、王妃様に今回の企画書を見せる。
「これはお祭りかしら?」
「そうですね。一種のお祭りだと思ってください」
「反乱が起きて皆が不安になっていたので良い事だと思うわ。本来であれば私達がしなくてはならい事ね。全面的に協力させてもらいます」
なので、中央広場の使用許可と人以外の通行の禁止をお願いした。
「ニーア、お願いね」
「承知しました」
下を見れば、猫団子が分解していたのでミーちゃんとカイ、テラを王妃様の元に連れて行く。
「ミーちゃん、ご機嫌よう」
「み~」
「カイとテラも良く来てくれたわね」
「「みゅ~」」
ミーちゃん、カイ、テラは王妃様に極上の笑顔でご挨拶。王妃様は全員を抱きしめてスリスリしてます。俺はルカ、レア、ノアに顔ペロされてますよ。ユーリさんとパミルさんが羨ましそうにしてるのでユーリさんにレア、パミルさんにノアを渡して抱っこさせてあげた。レアはカイのノアはテラの兄弟姉妹だからね、二人共とても嬉しそうな顔してます。
ルカを撫でているけど、ふわふわのもこもこ良く手入れされてる毛並み、みんなに可愛がってもらってる証拠だね。
レーネ様はペロ、セラ、ルーくん、ラルくんに囲まれて満面の笑みを浮かべて良い顔をしています。やっぱりレーネ様にはご友人が必要だと思うな。俺にはどうしようもないけど。
俺達はお昼もご馳走になり、王妃様とレーネ様にまた来るようにお願いされ王宮を後にする。王妃様は余程貴族の奥方達と会うのが嫌らしく、今日は大事な友人が来ていると言って全て断ったそうです。王妃ってのも大変なんだね。
ハンターギルドに戻り、ユーリさんとパミルさんにお礼を言ってカイとテラを撫でてから、ペロ達には先に帰ってもらい俺とミーちゃんは商業ギルドに向かった。
「許可がおりたのですね」
「み~」
「はい、問題なく」
「それではこちらも全力でとり掛からせて頂きます」
ベルーナの商業ギルドでも大きな紙を用意してもらい中央広場の平面図を描いて細かい打ち合わせをしていく。確かに図面を見るとヴィルヘルムの中央広場より格段に大きい事がわかるね。そこでふと気付いた事がある。こう言う大きな催し物の時って警備が必要だよね……特に酔っ払いが出る今回の企画は絶対に必要不可欠だと思う。
そこで、担当者さんと相談してハンターギルドに依頼を出す事にした。ヴィルヘルムでも依頼を出さないと不味いね。今から、行くしかないか。
うちに戻り、ヴィルヘルムに飛んで商業ギルドに行くと、血走った目の職員さん達に捕まりました。はい?
両脇を抱えられ連行された場所は、夏祭り運営推進チームと書かれた会議室。
「どこに行ってらしゃったんですか!」
会議室の中に居た職員さん達に恨めしそうな目で見られているんですけど……うちの担当者さん、朝から俺を探して走り回っていたそうです。ごめんね。
「何か問題でも?」
「も、問題って……問題だらけですよ!」
「みぃ……」
いつも温和な担当者さんが般若に見える。ミーちゃん、びっくりして俺にしがみついてますよ。
話を聞くと出店したい店が多いらしいです。お祭りに便乗したい食べ物以外のお店も多いらしく困っていたらしい。他にもいろいろ問題点が浮上して判断に困っていたらしいです。商業ギルドさんで勝手に決めてもらって良いのに……って言ったら、大公様の許可を頂いてきたのは神猫商会様でしょうってキレられてしまった……。
仕方がないので一つ一つ考えて行く事にする。ハンターギルドに警護の依頼する件もあるからね。
はぁ……今日帰れるんだろうか?
「みぃ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます