201神猫 ミーちゃん、やっぱり餡子はやめられません。
宗方姉弟の描いたものを見たけど、わかりにくい……。一度うちに持って帰って、精査し直し清書して来る事を約束して一旦持ち帰ろう。
ルーくんとラルくんもお菓子を一杯食べれて満足顔。ミーちゃん、まだどら焼きの餡子舐めてるね……皮はルカ、レア、ノアが食べるようだ。それって、姉としてどうかと思うよ。ミーちゃん、俺の顔を一瞬見てから餡子は別なの~ってまた舐め始めたよ……。
さて、そろそろお暇しようか。ハンターギルドにも寄りたいしね。
「ペロしゃん、セラしゃんに会いたいでしゅ! あと、あと、カイとテラも!」
「わかりました。今度来る時にはみんな連れてきますね」
「約束でしゅ!」
「み~」
レーネ様、とっても良い笑顔です。お姫様じゃなかったら、ギュッと抱きしめてあげたいです。
「お二方は今後どうするのかしら? 我々の庇護下に入る事もできるわよ」
「それはやめておきます。ロタリンギアに彼女らの居場所を教えるようなものです。二人は神猫商会と義賊ギルドで預かります」
「義賊ギルド?」
「彼女らと義賊ギルドには多少の縁があるので、嫌とは言わないはずです」
「わかりました。お二方からは我々は手を引きますわ。それで良くて?」
「はい、二人には勇者と言うしがらみに、縛られる事にはなって欲しくないと願っている方が居ます。俺もそう思っていますので……」
残りの召喚された三人には悪いけど、俺の腕はそんなに大きくないので勘弁してもらおう。自分から来てくれるなら別だけど。
みんながお暇の挨拶をしている間に、ニーアさんにロタリンギアの貨幣の両替をおねがいしておく。明日、手紙と一緒に渡してくれる事になった。
「き、緊張したよ~」
「王妃様って綺麗過ぎて逆に怖かったね」
「隣に居たエレナさんって方も美人だったねぇ」
「従姉妹だからね。美人で当然だよ。王妃様はヒルデンブルグ大公国の大公様の娘でエレナさんは大公様の姪だからね」
「ヒルデンブルグ大公国と言えば飛龍を使役してる国ですよね?」
「飛龍かぁ。乗ってみたいね。トシ」
「反乱軍との戦いでも活躍したけど、強力な部隊だね。だけど、ゴブリンキングにはまったく攻撃が通じなかったらしいよ」
「ゴブリンキング、恐るべし」
「そんなのに、勝てるんですか?」
「一筋縄では行かないだろうね。人々が協力してなんとか倒せるらしい。それを裏で暗躍して妨害しようとしてるのがロタリンギアだね」
「周りの国が疲弊した所を攻めて領土を広げる……」
「魔王は召喚された者に倒させる。失敗しても魔王にダメージを与えていれば、ロタリンギアが止めを刺すって事かぁ……」
「そう言う事」
「私達だまされてたんだね……」
「先輩達、大丈夫かなぁ……」
王宮に来る前に寄ったお店に行き、数着下着や上着に部屋着などをまとめて買う。宗方姉がなかなか決められず、時間がかかってしまったのはお約束。
荷物はたいした量じゃないので、俺が収納してハンターギルドに向かった。
「収納スキルって便利ですよね」
「覚える事って可能なんですか?」
「可能だと思う。俺も最初は持ってなかったからね。この世界に来た者は、この世界の人よりスキルを覚えやすいんだと思う」
「どうやったら覚えるんですか?」
「魂の器を育てないと、何も始まらない」
「「魂の
二人に神様から聞いた事を話してあげる。この事はこの世界の人々もなんとなくしかわからない事だから、一種のアドバンテージになるだろう。
「ゲームのレベルアップみたいなものなのかな?」
「モンスターをジャンジャン倒せば良いんじゃん! 楽勝~!」
「それだけだと、魂の器が育つけどスキルは覚えない。そのスキルにあった訓練、行動を心掛ける必要があると思う。ここからは俺の考えだけど、相手のスキルを観察したり、近くで見たりすると覚えやすい感じがするね。知らない間に覚えれるようになったスキルがあって、考えてみると、そのスキルを持った人の近くで見て経験してた事に気付いた」
「なるほど、なるほど」
「メモ、メモっと」
ハンターギルドの裏に行き馬舎の脇の木にスミレ達を繋げると、ギルドの厩務員さんが来て面倒を見てくれる事になった。よろしくお願いします。王宮で目一杯お世話されて来てるから既に上機嫌なんだけどね。
ギルドの表に回って入ると、お姉さん達にモフられ中だったカイとテラが、ミーちゃんを見つけて飛びついて来る。それはあたかも、俺に飛びついてるようにしか見えない。忙しくなる夕方前の穏やかな一時、モフモフを楽しんでいたお姉さん達に俺はどう見えるか……とても怖い顔で睨んでいますね……。
ユーリさんを見つけたので、ギルド長とのアポを頼みミーちゃん達も渡して危険回避をする。ついでに、ルーくんとラルくんをお姉さん達に人身御供として差し出して来た。そんな恨めしい目で見ないで……。
しばらくすると、パミルさんがやって来てギルド長が会うと伝えてくれたのでギルド長室に宗方姉弟を連れて階段をのぼる。
じゃあ、行って来るね。
「み~」
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