197神猫 ミーちゃん、信頼関係は大事です。
夜は宴会でした……仕方ないね。今回のミッションの成功、反乱軍の撃破、宗方姉弟の歓迎会が重なればこうなるよ。
「み~」
夜になりユーリさんが迎えに行ったセラと一緒に帰って来ると、美人が戻って来たと更に盛り上がりをみせる。
「ネロさんって、ハーレム野郎なの? 最低……」
「姉さん、ハーレムって? レティさんにユーリさんだけじゃ、ハーレムって言わないでしょう?」
「トシ、甘いわ。ミーちゃんを含めてこんなに可愛い子達が居るじゃない!」
そのミーちゃんとセラ以外は男だろう……。
宴会は夜遅くまで続いたとさ。俺は途中で部屋で寝た。もちろんミーちゃんも。夜更かしは毛艶の大敵だからね。
「み~」
翌朝、宴会組は誰も起きて来ない。まあ、良いんだけどね……。ペロ達とヤン君家族と一緒に朝食をとった後、ミーちゃんとカイをムニュムニュしてる。
ペロ達は今日はギルドの依頼を受けず、ジンさん達から指導してもらえる事になってるそうだ。ヤン君なんか起きてからずっと弓と小剣を持ってソワソワしてるけど、指導してくれる人達はまだ夢の中? なのでやる気が空回りしてる感じだね。
イルゼさんとカヤちゃんはいつも通り屋台をバロに引かせて出掛けて行った。まだ早朝だけど、ハンターさんの常連さん達が待ってる居るらしい。良きかな、良きかな。
俺とミーちゃんの今日の予定は王宮に行き王妃様へのご報告と、ゼストギルド長の所に行って宗方姉弟のハンターギルド証を作ってもらおうと思う。宗方姉弟は連れて行かないと駄目だよね、実は連れて行くのが不安です……いろんな意味で。
後は烈王さんの所とヒルデンブルグの大公様の所にも報告に行かないと。転移装置でヒルデンブルグに飛べばすぐだし、明日でも良いでしょう。宗方姉弟は連れて行く気は無い、会いたいと言われたらその時考えよう。
彩音さんの所にも連れて行きたい。レティさんにアポを取ってもらおう。忙しくなりそうだ。
えっ? なに? ミーちゃん、いつも忙しく動いてるって? ミーちゃん、それを言っちゃあおしまいよー。忙しくても、なんかこう充実してるって言うか生きてるって感じがして、辛いどころか嬉しいんだよね。わかってもらえるかなぁ?
「み~」
ミーちゃん、俺の顔を見てコクコクしてくれてる。それをカイが真似してコクコクしてる姿は、何とも微笑ましい。チュッチュッしてあげようよ。そんな俺達にルーくんとラルくんが寄ってきて、遊んで攻撃を仕掛けて来る。仕方ないので、ミーちゃんとカイを連れて外のテラスに移動し陽が当たってるテーブルに乗せて日向ぼっこをしてもらい、俺はルーくんとラルくんの為にお手製布ボールを遠くに投げてやる。投擲スキルが上がってるのでなかなかのものだ。
ルーくんとラルくんは元気よくボールに向かって走って行く。フライングディスク作れないかなぁ、喜ぶと思うんだよね。木製の皿を薄く削って作ってみようか、ブーメランでも面白いかも。革製のボールを作るのも良いかもね。昔のサッカーボールの中の膨らませる所って牛の膀胱だったって聞いている、この世界のモンスターの物で代用できないかな? できたら、この世界にサッカーを広めよう! この世界、娯楽が少ないから流行るかも。
娯楽が少ないで思いだしたけど、転移物の定番トランプとリバーシは既にこの世界にある。転移して来た先達が広めたようだ。チェスや将棋はないから作ってみようか、作るの大変そうだけど宰相様辺りハマリそう。特注品を作って吹っ掛けてやろうか? ウハウハだね。
それから、宗方姉弟も神猫商会に入った事だし、本格的に始動するのも悪くない。二人の知識も加われば、この世界で売れる物を作れるはず。資本はある、知識もある、販路もなんとかなる。これは……ウハウハだね。カティアさんに相談してみよう。
それにしても、ルーくんとラルくんは化け物か! もう、腕が疲れたよ……そう言えば、どちらも化け
九の鐘が鳴るとやっと宴会組が降りてきた。酒臭いので風呂に直行させる。十の鐘が鳴る頃に全員がリビングに集まった。王宮に行くのは午後からになりそうだ。
「うぅー、流石に頭痛てぇ」
「楽しかったから良いじゃない」
「いやぁー、久しぶりに良く寝たって感じぃ」
「姉さんは、いつも熟睡してるでしょう……」
宴会組は遅めの朝食をとり、外でペロ達と模擬戦をするみたい。ユーリさんとレティさんはベッドに戻って行った。宗方姉弟は模擬戦に参加するそうなので、午後に出掛けるので無理はしないように言っておく。
俺はルーカスさんとカティアさんとお話です。滅多に行かない執務室にミーちゃんとカイを連れて来てます。お茶を飲みながらの談笑程度だけど、カティアさんがお茶をいれてくれる。ミーちゃんとカイにはミネラルウォーターを出してあげた。
「それで、お話とは何でしょうか?」
「今回来た二人は神猫商会で働いてもらいます」
「よろしいのですか? 勇者様とお聞きしていますが……」
「勇者になり得る可能性があると言うだけです。その辺は気にしないでください」
「ですが、国が放っておきますか?」
「二人を国関係の事には関わらせないように話をしてきます」
「み~」
「可能なのでしょうか?」
「不可能ならこの国を出るまでです」
「「……」」
「みなさんの事はなんとかします。できれば、一緒に来て欲しいですが、嫌なら別の働き口を探します」
「他の者達はどうかわかりませんが、私達はネロ様について行きますよ」
「ルーカスの言う通りです。ネロ様には返しきれないご恩があります」
「安心しました……じゃあ御勝手にって言われたらどうしようかと思いました」
「み~」
「ネロ様は私達の主です。ついて来いの一言で十分でございますよ」
「私達がお仕えするのはネロ様ですから」
涙がちょちょぎれそうだよ……。
「ありがとうございます。と言う事なので、これからは様付け止めてくれません?」
「それは、いけません。他の者に示しがつきませんし、ネロ様が他の者に見下されてしまいます」
「じゃあ、他に人が居ない時なら構いませんよね」
「いけません。どこで、誰が聞いて居るかわかりません。ネロ様は、いろいろと良い意味でも悪い意味でも話題に登る方です。付け入ろうとする者も少なくありません」
そうなの? あらやだ、怖いわぁー。
「なら、この部屋に居る時だけでもお願いしますよ~」
「ハァ……仕方ありません。主にそこまで言われては断れませんね。ネロさんでよろしいでございますか?」
「ネロで良いんですけど……妥協します」
ルーカスさんとカティアさんに睨まれてしまった……。様って柄じゃないんだよねぇー。でもこれで、二人との距離が縮まった気がする。お陰で、お互いの信頼関係が深まった気がするね。
「み~」
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