180神猫 ミーちゃん、みんなとお昼寝中です。

 ルーくんはハスキー犬の模様無しの真っ白な子犬に見え。ラルくんはグレート・ピレニーズに天使の様な羽が生えた、見た目はモコモコの綿飴のようです。これでスミレ以上の速さで飛ぶのだから、ドラゴンって凄いね。


 ルーくんは王妃様にモフモフされ、ラルくんはエレナさんにモフモフされ気持ち良さそう。



「ねぇ、ネロ君。この子の背中に翼があるんだけど?」


「ラルくんはちょっと変った子犬です!」


「ねぇ、ラルくん。お姉さんとどこかで会ったことない?」


「きゅ~?」


「ラルくんを抱いてると凄く安心できるのよねぇ」



 大公様の姪であるエレナさんなら、烈王さんに会った事があるかも。ラルくんって烈王さんに似てるのかな?


 ルカとレア、ノアは俺の膝の上で眠ってしまったので、ニーアさんがバスケットに移して陽あたりの良い場所に移動してくれた。


 せっかく王宮に来たので薬学機関に行って本をもらってこよう。


 ニーアさん案内の元、薬学機関の建物に行きニコラスさんに本の置いてある場所に連れて行ってもらった。


 倉庫に大量の本が置かれている。本屋が開けるんじゃないかと言う程です。



「王室の図書館でも本の入れ替えがありましたので、その一部を王妃様のご許可を頂きネロ様に寄贈致します」


「本当ですか! みんな喜びます!」


「み~」



 ミーちゃんバックに全部収納してもらう。ニーアさんもニコラスも驚きの顔をしている。何度も見てるよね?



「何度見てみも、ネロ様の収納スキルは素晴らしいものがありますね」


「薬学機関で働きませんか? それだけの収納スキルは見た事がありません」



 確かに時空間スキルで収納できるけど、これはミーちゃんバックに収納してもらってるからねぇ。ミーちゃんバックは神様仕様だから無制限。俺じゃないのですよ。



「み~」



 事務所の方に戻ると、パトリック所長とヒルデさんが待っていたよ?



「これを見たまえ」



 小瓶に青い液体が入っている。鑑定してみると、最上級ポーション(劣化)と出ている。



「どうだね。素晴らしいと思わんかね。教会側ですら失伝した最上級ポーションができたのだよ。私の研究は無駄ではなかったと証明された訳だ! 君のお陰で失われた技術が復活していく! どんどん、素材を持って来たまえ。全てうちで買い取る。そうそう、これは記念に君に送ろう。これがあれば瀕死状態でも、ピンピンになるぞ! 使った時は、レポートの提出を忘れずにな! ハッハッハッ!」



 言いたい事を言ってどこかに行ってしまったよ……使った時って瀕死状態なんでしょう? できれば一生使いたくないんですけど、でもせっかくなので貰っておきますね。ミーちゃんバックに大事にしまっておいてもらおう。



「み~」



 テラスに戻るとそろそろ、昼食の時間。テラスにテーブルを出して食べるみたいですよ。宮廷料理長の料理楽しみです。


 クレープの様なものに野菜とお肉が巻かれたもの、トウモロコシの冷製スープ、ペロ達腹ペコ魔人用に味付けされた骨付き肉がでーんと大きな皿に載っています。


 ミーちゃん達は猫缶の方が良いようで、みんな仲良く食べてます。


 それから、召喚メニューに品が増えてました。


 猫に小判クッション 最高級のクッション 寝心地最高 睡眠効果あり 神様もお昼寝にご愛用。


 神様お昼寝するんかい! 興味はある……昼食後出してみよう。


 うちの子達は王妃様にお姫様の前だと言うのに、まさに食事戦争。奪い合いはしないけど、相手に取られまいと口の中一杯に頬張っています。誰も取らないからお行儀良く食べてよねぇ……。


 お昼を食べ終わり、猫に小判クッションを出してみる。クッションと言うより座布団かな、小判を持っている招き猫が描かれている。大きさは四十セン四方丁度良い大きさだね。


 ミーちゃんとルカ達が猫に小判クッションに乗ったら、すぐにお昼寝し始めました。それを見ていたレーネ様も可愛らしい欠伸をしていたので、もう一つ猫に小判クッションを出してレーネ様にプレゼントした。


 部屋の中のソファーに座り、クッションを抱きかかえるように持っていたレーネ様はすぐに眠りに落ちていったね。



「良いな~。私も欲しいな~」



 仕方ない……気だるいのを我慢してもう一枚出してエレナさんに渡す。



「フカフカで気持ちぃぃ……」



 テーブルの上でクッションを置き顔をクッションに埋めたまま、寝息をたてている。瞬殺です。恐るべし神様仕様。


 ペロとルーくん、ラルくんも丸くなってお昼寝。なんかそんな光景を見てると俺も眠くなってくるよ。王妃様の前だから寝ないけどね。



「この騒ぎが収まれば、ブロッケン山に使者を派遣します。父上とも話を進めていますので歩調を合わせ同時の会見となるでしょう」



 牙王さんいつでも構わないと言っている。今の時点でも何も問題はないからね。でも、決めなくちゃならない事はいくつもある。



「我々が求めるのは、街道の整備及び安全。ハンターの出入りの自由。ヒルデンブルグ側はこれに、騎竜隊の駐屯地の土地の借用が入るわね」


「ハンターの出入りの自由ですか……」


「ブロッケン山は素材の宝庫です。モンスター然り、薬草類もまた然り」


「薬草などの素材は問題ないと思いますが、モンスターは別です。ハンターに牙王さん達の配下の区別が付きますか?」


「難しいわね」


「正直言えば薬草なども牙王さん達の資産ですので認めたくないですね。実際にその一部を私が預かり、薬学機関に卸しました。薬草類はブロッケン山に住む妖精族の貴重な収入源の一つです」


「と言う事は、完全な自治区にしろと言う事かしら?」


「それが良いと思います。最初は不可侵条約を結び、信頼関係を築く事が大事です。最初から何もかもと決めても、上手くいくとは思いません。特に人族側は利権が絡めば、簡単にルールを破るでしょう」


「ハァ……耳が痛いけど、ネロ君の言う通りね。先ずは信頼関係ね」



 牙王さん達は人族と争いたくないと言ってるけど、人族側にその気がなければ牙王さん達だって腹を括るだろう。それは、嬉しくない状況だ。俺達が間に入ってそう言う状況を作り出さないようにしないとね。そう思うでしょう。ミーちゃん。



「すぴぃー」




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